テネシー州裁判官:英語を習え
Learn English, Judge Tells Moms
Los Angeles Times, Feb. 14, 2005
州で義務付けられている子供の予防接種を怠ったことなどで、政府の児童福祉局に通報された母親に関する聴聞会で、テネシー州地裁のテイタム裁判官は、このメキシコ出身の若い母親に命令した。「英語を習え。」
テ イタム裁判官がこのような命令を下したのは初めてではない。つい最近にも、子供の世話を怠っていると容疑を掛けられたメキシコ出身の母親に、「6ヵ月後の 聴聞会までに、小学校4年生くらいのレベルの英語がしゃべれるようになっておくこと。それができなければ、あなたの親権を絶つ手続きを開始する。」と言っ たのだ。
テイタム裁判官の命令は、地元テネシー州の街レバノンで賞賛された。レバノンは人口2万人ほどの小さな街。この街ではかつて、外 国語はおろか、外国語なまりの英語が聞かれることもあまりなかった。しかし今日レバノンの農場及び工場は、1200人ほどの外国生まれの労働者を雇用して いる。その大部分の人々がメキシコ出身であり、そのうち400人が、メキシコ原住民語のメキシテコという言語を話す。彼らのような原住民は、祖国で貧困に 窮乏しており、基本的な教育も受けられず、メキシコの公用語であるスペイン語さえも話すことはできない。
レバノンでアンティーク・ショッ プを経営するウィリアムス氏は言う。「この店のドアを開けて入ってきて英語を話さない人には、何も売れないね。すまないがね。この国にいたいんだったら、 英語の授業を受けてくれ。」「この国に住むんだったら、英語をしゃべる義務があるんじゃないのか。」と、保険代理店を営むブライト氏。「もし私がメキシコ に住んでいたら、ヒスパニックを習得するよう努力しただろう。」(ちなみに、ヒスパニックという言語は世界中どこにも存在しない。恐らくブライトさん、メ キシコの公用語であるスペイン語のことを言っているつもりなのだろうが、スペイン語は英語でSpanish(スパニッシュ)だ。ブライトさん自身が英語を もう少し勉強した方がよさそうだ。)
しかし、移民の権利を保護する市民団体や法律専門家は、テイタム裁判官の命令は間違っていると指摘す る。アメリカ市民自由権連合の弁護士達は、「テイタム裁判官の命令は差別的で憲法に反している」と言う。また、バンダービルト大学法律学校のブルックス教 授は、「本来裁判官の命令は、児童への虐待や放置に直接関連する親の行為について触れるものだが、英語を話す能力の欠乏は、虐待や放置に関連する親の行 為、とはみなされない。」また同教授によれば、州最高裁は既に、自分の子供を育てる権利は州民としての基本的な権利である、と判決を下しており、英語を話 せないという理由で親権を奪うことはできないはずだ。
6ヵ月後の聴聞会までに小学校4年生レベルの英語をしゃべるようになれ、と命令され た女性の弁護士であるゴンザレス氏は言う。「私のクライエントは恐らく、小学校6年生レベルの教育も受けていない。上等の教育を受けたテイタム裁判官で も、4年生レベルのスペイン語を6ヶ月で習得するのは無理なはず。裁判官は彼女に実行不可能な命令を下したのだ。」