イリノイ州裁判所:精子は贈り物
Man Can Sue for Distress over Surprise Pregnancy, But Sperm Hers to Keep
Associated Press, Feb. 24, 2005
以 前交際していた女性が、男性に知らせずに彼の精子を使って妊娠していたことに関し、イリノイ州の上級裁判所は、「男性は精神的苦痛を与えられたとして女性 を訴えることができる」と判決を下した。しかし、「精子を盗み取った、として彼女を訴えることはできない。一旦彼女に届いた精子は彼女のものだからだ。」
原 告リチャード・フィリップスさんと被告シャロン・アイアンズさんは二人とも医者である。6年前、二人は交際をしていた。ある日、二人がオーラル・セックス を行った後、アイアンズさんはフィリップスさんに内緒で彼の精子を保管した。そしてその精子を使って妊娠した。フィリップスさんがそのことを知ったのは、 それから2年後。子供の認知を求めてアイアンズさんに訴えられた時だ。DNA鑑定でフィリップスさんが子供の父親であることが証明された。彼は養育費 800ドルを毎月アイアンズさんに支払うように裁判所から命令された。
フィリップスさんは、窃盗及び詐欺(彼の精子を騙し取ったこと)、そして彼に精神的苦痛を与えたこと、を理由にアイアンズさんに対し訴訟を起こした。下級裁判所はフィリップスさんの訴えを退け、彼は上告。
上 級裁判所は、確かにアイアンズさんの行為は欺瞞的だったと認めた。「普通の人間なら、オーラルセックスが妊娠という結果をもたらすとは予想だにしない。そ のオーラルセックスを行って得た精子を使い妊娠するのは、通常では考えられないやり方であり、(フィリップスさんにとって)大変な状況を生み出した。」 よって、精神的苦痛を与えられたとする彼の訴えはそのまま続行されるべき、と判決を下したのだ。
しかし同裁判所も、窃盗と詐欺に関しては フィリップス氏の訴えを退けた。アイアンズさんは、フィリップスさんの精子を騙し取ったのではない、とする下級裁判所の判決に同意したのだ。「(オーラル セックスにより)精子が女性に届いた時、その精子の所有権利は贈与者(男性)から受贈者(女性)に譲渡されたのである。その精子を後で男性に返却するなど という契約を、両者間で交わした わけでもない。よってその精子は女性への完全な贈与品とみなされる。」