ターミネーター vs. 看護婦
アーノルド・シュワルツェネガー氏にとって、どこに行っても熱心なファンに追いかけれらたのはもう昔の話。カリフォルニア州知事となった今は、どこに行っても自分に対して抗議するプロテスター達に追いかけられる。
シュ ワルツェネガー知事は、カリフォルニア州の赤字を埋める為に州政府の福祉関連の予算を大幅に削減。病院や学校への経費もカットした。また、州政府の腐敗を 一掃するという公約で知事になっておきながらも、前知事以上に熱心に企業から献金を集め、企業に好意的な政策を執っている。更に女性に対する差別的な発言 が度重なっている。
そんなシュワルツェネガー知事に失望したカリフォ ルニア州民は少なくないが、特に彼を目の敵にしているのが看護婦達と消防士達だ。知事が、病院に最低数の看護婦の雇用を義務付ける州法を無効にし、消防士 などの公務員の退職金制度を民営化させようとしているからだ。
シュ ワルツェネガー知事がどこに行こうと、看護婦や消防士は待ち受けてい る。サクラメントで映画「Be Cool」のプレミアに招待された知事は、敷かれた赤じゅうたんの上を歩いて映画館に入るはずだったのが、赤じゅうたんの脇にずらりと並ぶ看護婦達の存在 を確認し、こそこそと裏口から映画館に入った。サンディエゴで献金集めの為にパーティーに出席していた時も彼らはいた。ロサンゼルスのブレントウッド地区の彼の自宅前にも。
し かもカリフォルニア内だけではない。ニューヨークで行われた献金集めパーティーにシュワルツェネガー知事が出席した時も、彼らはいたのだ。消防士達はわざ わざカリフォルニアから飛んだ。一方看護婦達は、ニューヨークの看護婦達にコンタクトを取って、現場に向かってもらっ た。
ロサンゼルス・タイムズ紙によると、看護婦や消防士達は、知事の公的行事参加から私的なパーティー出席まで、スケジュールを調べつくしているらしい。
シュワルツェネガー知事は、内心は一物あるだろうが、表面上は彼らを無視しているようだ。ストリート上における知事対看護婦・消防士の戦いは、忍耐の強い方が勝ち、という感じだ。
ちなみに看護婦達は、知事に対し訴訟も起こしている。先週州の下級裁判所は、知事が病院に最低数の看護婦の雇用を義務付ける州法を無視したことは、知事の権限を越えた行動である、と判決を下した。もちろん知事は上告するつもりだが、裁判所での戦いにおいては、まずは看護婦達が最初の勝利を収めたということだ。
A New Kind of Crowd for Governor
Los Angeles Times, Mar. 9, 2005