イスラエルの攻撃とメディア報道
「戦争とマスコミ」 (田中宇氏)
イ
スラエルが対レバノン攻撃を開始してからしばらくの間、アメリカの偏った報道に恐ろしささえ感じていた私は、ロンドンにいる友人にメールで、イスラエル攻
撃に関するイギリスのメディアの報道と世論の反応について尋ねた。友人が「イギリスのメディアはバランスのとれた報道をしているし、世論もレバノンの一般
市民にとても同情的だ。パブに行くと、客はみなこの話題について話しているが、ほとんどみなイスラエルを批判している。」と返事を送ってきた時、胸をなで
おろしたものだ。そうか、偏った報道をしているのはアメリカだけなのだな、と。
「こちらでは、政府や政治家達は、イスラエルのしているこ とを『正当な自衛行為』と呼んでいる。」と言うと、友人は、図らずも当たっていると思えることを言った。「イスラエルのしていることが桁外れの攻撃である ということは、米政府も政治家達も十分承知しているが、彼らの歪んだ対中東政策が、自らを、イスラエルを擁護しなければならない立場に追い込んでいるんだ ろう。もちろん強大なイスラエル系ロビーの影響や、国内のユダヤ系有権者の支持欲しさ、というのも要因だろうけれどもね。」