クリントン議員とオバマ議員とハリウッドの大物献金者
民主党の大統領選候補者を選ぶ予備選は、既にどろどろし始めている。9人いる民主党立候補者の中で、今最も有力とされているヒラリー・クリントン連邦上院議員と、次に有力視されているバラク・オバマ連邦上院議員の間のどろどろは、特に目につく。
現在各立候補者は、選挙キャンペーンの資金作りに必死だ。裕福な献金者を一人でも多く獲得すべく、各立候補者の間で血みどろの闘いが繰り広げられている。もちろんクリントン議員は、夫が大統領であったため、いとも簡単に裕福な献金者を次から次へとものにしている。しかし、対イラク戦争を支持した彼女にどうしても金をやれない、という献金者たちもいる。ハリウッドの大物達だ。彼らは、始めから対イラク戦争に反対していたオバマ議員を好んでいる。
先日、ビバリーヒルズのホテルでオバマ議員の為の資金集めパーティーが開かれ、映画監督/プロデューサーのスティーブン・スピルバーグ氏、俳優のトム・ハンクス氏やデンゼル・ワシントン氏、映画製作会社のユニバーサルやパラマウントの社長/会長などがどっさりとお金をもって現れた。そして、その中でも最も巨額の献金をオバマ議員に調達したのが、ゲフィン・レコードの創業者であり、ドリームワークスをスピルバーグ氏と共に創業したデイヴィッド・ゲフィン氏であった。ゲフィン氏は、パーティーの後にオバマ議員を自宅に招待し、資金集めパーティー第二弾を主催したくらいだ。
ゲフィン氏はビル・クリントン元大統領と親しい仲だったので、すっかり彼の献金に頼れると思い込んでいたクリントン議員は、裏切られた気分になった。その上、ゲフィン氏がニューヨーク・タイムズ紙のコラムニストに語った言葉が、彼女の怒りを爆発させた。ゲフィン氏が述べたことを抜粋すると:
オバマはインスピレーションを与えてくれる人物だ。そして彼は、ブッシュ王家の出身でもクリントン王家の出身でもない。
イラクではアメリカの兵士たちが毎日死んでいる。
「対イラク戦争を支持したのは間違いだった。」と言うのは大したことではない。しかしそれもできないのは、典型的ヒラリー・クリントンだ。そのように頭のいいアドバイザー達から言われているんだろう。
オバマがクリントンに勝ってくれるといいのだが。あの機械(クリントン議員の選挙キャンペーン団)は、意地悪で、魅力もないが、うまくやるだろうからね。
怒ったクリントン・キャンペーン団は、オバマ議員に、このように他の立候補者の悪口を言うゲフィン氏と関係を絶ち、受け取った献金を全額返すように、と要求した。それに対し、オバマ・キャンペーン団は、このように返答した。
クリントン家と昔クリントン家の支持者だった人物の仲違いの間に、我々は入りたくはない。
ゲフィン氏がクリントン大統領(当時)に1800万ドルの献金をし、よくホワイトハウスに招待され、リンカーン・ベッドルームで眠っていた頃は、クリントン議員は彼に対して何の不満もなかったくせに、皮肉なものだ。
また、(「立候補者の悪口をいう人物との関係を絶て」という)クリントン議員が、サウスカロライナ州議員のロバート・フォード氏を賞賛し、彼の支持を全面的にありたがく受け入れたのも、皮肉だ。フォード氏は、「もしバラク・オバマが民主党の大統領候補者に選ばれたら、民主党全体を引き摺り降ろしてしまうだろう。彼は黒人だからな。」と言った人物なのだから。
ヒラリー・クリントン対バラク・オバマ、この2人の闘いは、この先もっとどろどろしそうだ。
ところで、オバマ議員は、「ブッシュ王家の出身でもクリントン王家の出身でもない」から良い、というゲフィン氏の考えに私は賛成だ。考えてみてほしい。もしクリントン議員が大統領になれば、アメリカは、1988年から2012年、もしくはその数年後まで、ブッシュ家とクリントン家の2家によって統治されることになるのである。まるでローマ帝国のようだ。権力と金とコネが最も備わった者しか大統領になれない、ということを証明しているようなものだ。今の時点では、クリントン議員が大統領になれるかどうかはっきり言って分からないが、民主党予備選には、権力と金とコネの力で勝つだろう、という気がする。