短い会話
以下は、政治・文化の情報雑誌、ハーパーズ・マガジンのワシントンDC駐在エディターであるケン・シルバースティン氏と交わした会話。シルバースティン氏は政治専門のライターで、中でも政府・政治家と大企業のロビイスト間に存在する汚ない関係をよく暴いている。彼の執筆する著書や記事を読んでいると、彼の正義感がよく伺える。神経質そうで(どのライターもある程度そうだと思うが)、近づき硬く見える反面、一旦会話を始めると大変気さくで優しい、という感じを受ける人だった。
「ライターとしてのあなたの大ファンです。あなたは素晴らしい方ですね。」
「私を『素晴らしい人』だと思うのは、あなたが私を知らないからですよ。ほとんどの人が、あなたとは全く違う意見を私に関して持っているはずです。(笑) もっと若い頃は、もしかしたらもう少し『いい人』だったかもしれません。が、人生は私を擦り減らしてしまいました。」
「あなたが自分の信念に基づいて行動する高潔な人間であることは、私には分かります。否定しようとしても無理ですよ。(笑) あなたの書く文章に反映されてますから。」
「どうもありがとう。」
「9-11テロ事件の直後、アメリカにおいて軍国主義や国粋主義が異常な程高まり、私は悲観的に日々を過ごしていました。そんな中でハーパーズ誌がいつも慰めになっていました。ハーパーズ誌が存在しなければ、私は発狂していたかもしれません。」
「あなたの正気の保持に、私は貢献していませんよ。私はあの頃は、ハーパーズに記事を2,3書いたかもしれないが、まだロサンゼルス・タイムズ紙の専属ライターでしたからね。」
「あ、そうでしたか。ははは。」