ホームレスの人々 - 人種と場所によって待遇も違う
昨日パサディナにあるワイン・バーにいた時、そこのワイン・メイカーであるカルロスさんがふと、「そろそろ彼女にディナーを持って行ってあげないと。」と言った。何なんだろう?と不思議に思っていると、説明してくれた。
「ホームレスの女性がね、いつもこの辺りでいるんです。彼女は看護婦をしていたんだけど、何かの理由で精神的な病気になり、ホームレスになってしまった。普段はとても頭のいい女性なのに、突然周りのことが分からなくなってしまうようなんですね。気の毒な人です。それで、この辺の者達は、彼女に食べ物やブランケットなんかを差し入れしているんですよ。マーティン・シーンやエミリオ・エステベスなんかは、彼女をマリブの自宅まで連れて行って、ディナーを食べさせてあげることもよくあるんですよ。」
とても感動的な話だと思った。この辺りの住民の親切さにじーんと来た。そして「さすがマーティン・シーン!」と感心した。マーティン・シーンは、常日頃から反戦や人権擁護などの活動に積極的に参加して賞賛されているが、これは彼の素晴らしい人間性を証明する話だと思った。
でもワイン・バーを出てパサディナを後にして、ロサンゼルスに戻ってきて悲しくなった。パサディナは、裕福な白人やアジア系アメリカ人が住民の大多数を占めるアップスケールなお洒落な街だ。ホームレスの人はあまり見かけない。だからこそ、この(おそらく白人の)女性がホームレスになってしまったことは、住民の注目を集め、同情を集めているのだろう。
それに比べて、ロスのダウンタウンの一角にあるスキッド・ロウ。アフリカ系アメリカ人のホームレスの人々が何百人といる。しかも、ダウンタウンの復興計画に基づいて、ロスの警察が始終ダウンタウン中をパトロールしており、ホームレスの人々をまるで汚い物か何かのように、小さな小さな一角にぎゅうぎゅう詰めに追い込んでいる。ロスのダウンタウンのホームレスの人々には、時折食べ物を配給するキリスト教会の団体を除いては、食事やブランケットを与えてくれるコミュニティも、ディナーに招待してくれる俳優もいないのだ。