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今日友人2人と昼食を一緒にした時、彼らから興味深い話を聞いた。友人のうち1人はセミコンダクターのデザイン、もう1人はオンライン・セキュリティを手掛ける会社で働いている。つまり2人ともハイテク業界にいる。2人によると、アメリカでは、大きなテクノロジー開発は過去8年間ほどまるっきり起こっていない。それもこれも、金融機関や投資者たちが過去数年間、不動産・住宅ローン(特にサブプライム・ローン)に走り、ハイテク業界への投資を怠ったからだそうだ。つまり、今サブプライム・ローンの焦げ付きが発端で経済が破綻しつつあることに皆騒いでいるが、サブプライム・ローンの弊害はそれだけではなく、テクノロジー開発の留まり、という弊害もあったというわけである。友人2人とも、アメリカの経済システムの根本を変えないとアメリカの将来は暗い、と言う。ノーベル賞受賞者で、人間的にもとても素晴らしい(と私は思っている)経済学者ジョセフ・スティグリッツ氏が、バラク・オバマ議員は3人の大統領候補者の中で経済を立て直すのに最も適している、と言っていた。オバマ議員には、なんとしても大統領になってもらいたいものだ。
というわけで、今日観た「30秒のオバマ」応募作品の中で良かったビデオだ:
Chipper. He Will Vote For Food
MoveOnの「30秒のオバマ」ビデオ・コンテスト、本日観た応募作品の中で良かったと思うビデオを紹介しよう:
What We Can Draw from Obama
(これほどブッシュ大統領とオバマ議員の違いを明確に表現したビデオが他にあるだろうか。)
White Haired Women for Obama
(統計結果によると、50歳以上の女性のほとんどはクリントン議員を支持しているそうだ。それを念頭に置いて観ると、このビデオの意義の大きさが分かる。)
He Keeps His Words
(これは、宣伝広告ビデオというより、ドキュメンタリーとして観る方が良い。 母親が10歳の息子を連れてオバマ議員のキャンペーン集会に行った。演説を始める前、オバマ議員は会場のオーディエンスの人々と握手を交わしていた。オバマ議員が近くまで来た時、息子は自分のTシャツにサインしてほしい、と頼んだ。その時、ちょうど演説を始める時間が来た。オバマ議員は、「後で戻ってくるからね。約束するよ。」と彼に言ってステージに向かって行った。オバマ議員は素晴らしい演説を行い、オーディエンスをエキサイトさせ、そしてステージを降りた。会場のライトはみな消された。母親は、オバマ議員はまさか戻ってこないだろう、と思っていた。ところが、オバマ議員はちゃんと戻ってきて、息子のTシャツにサインしたのであった。.....うーむ、いい話だ。)
民主党系のオンライン政治団体MoveOnは、インターネット上のみに存在する政治団体の中で最大の規模を誇る。約3百万人の一般有権者がメンバーとして登録している。MoveOnは、メンバーの投票により、バラク・オバマ議員を民主党大統領候補として支持している。
MoveOnは目下、「30秒のオバマ」と銘打ったコンテストを開催中。一般有権者の応募者が、それぞれオバマ議員の宣伝広告ビデオを製作し、MoveOnに送る。ビデオの長さは30秒間でなければならない。送られたビデオはMoveOnのウェブサイト上にて公開され、MoveOnのメンバーがそれらのビデオを観て採点する。そして、点数の最も多い上位10個のビデオが、審査員の審査に回される。審査員は、各業界から集まったオバマ議員の熱心な支持者ばかりで、ベン・アフレック、マット・デイモン、ジョン・レジェンド、エディ・べダー、ローレンス・レシグ、オリバー・ストーン、その他。審査により決定した受賞者には、賞金2万ドル他が送られる。
4月15日にビデオの応募が締め切られ、今日からMoveOnのサイト上でビデオを観ることができることとなった。1000を超えるビデオが提出されたとかで、全部を観ることは到底不可能である。今日観たビデオの中で、特に良かったと思うものをここに紹介しよう。MoveOnメンバーの採点は4月27日に終わり、審査員の審査が終わるのは29日らしい。
ビデオ-「30秒のオバマ」
The World is Watching
(日本の画像として使われているのは、中国か台湾の画像であるような気がする。)
日本でもIT業界の人々にはお馴染み、スタンフォード大学法律学校のローレンス・レシグ教授による、大統領選に関するビデオ。レシグ教授はオバマ議員を支持している。民主党大統領予備選を火曜日に控えたペンシルバニア州の人々へのメッセージ。レシグ教授はペンシルバニア州で育った。
ちなみに、オバマ議員はペンシルバニア州ではクリントン議員に敗れる、と予想されている。ペンシルバニア州出身の私の友人によれば、同州には労働者階級の人々が多く、人種差別主義者の人々が多い。「ペンシルバニアの多くの人々は、アフリカ系アメリカ人のことを"アフリカ系アメリカ人"とは呼ばない。"黒人"とさえも呼ばない。"有色人"と呼ぶんだよ。」と友人は言う。
どうぞお楽しみあれ:
「ヤンガー・ザン・マッケイン」
(ジョン・マッケイン議員より若いものとは?)
「ボスニア・アンド・バック・アゲイン」 主演:ヒラリー・クリントン
(これは、英語が分からない方にはちょっとつまらないかもしれない。予備選キャンペーンにおいてヒラリー・クリントン議員がついた数々の嘘を映画のトレーラー風にまとめたもの。彼女は本当に嘘つきな人なのだ。)
「ペトレイアス・リポート・オン・イラク」
(サタディ・ナイト・ライブより、連邦議会上院軍事委員会を前にしてぺトレイアス陸軍元帥が行ったイラク現状報告のパロディ。出演は、デイビッド・ペトレイアス陸軍元帥、上院軍事委員会委員長カール・レビン議員、ジョン・マッケイン議員、ヒラリー・クリントン議員、連邦議会で最年長のロバート・バード議員、そしてバラク・オバマ議員。
アメリカの政治家達は、共和党であっても民主党であっても、イスラエルの政策を批判することはできない。イスラエルがどれ程パレスティナ人の人命や人権を陵辱しようが、レバノンを勝手に攻撃しようが、アメリカの政治家達は、ただただイスラエルのやっていることを「全面的に支持する」と繰り返すだけだ。
イスラエルを批判しようものなら、彼らの政治生命が絶たれてしまうからだ。それもこれも、リクード党と密接な関わりを持つロビー団体「アメリカ・イスラエル公共問題委員会(AIPAC)」のせいである。同団体は、アメリカの政治家、メディア、そしてあらゆるセクターにおける有力者や著名人が、イスラエルの政策(厳密にはリクード党政策・右派政策)を支持するよう、少なくとも批判しないよう、莫大な資金と強大な影響力を行使して活動しているのである。
大統領選候補者の3人も、AIPACからロビーされ、または同団体の報復を恐れ、イスラエルの強硬政策を正当化する態度を示している。先日カーター元大統領が、イスラエル-パレスティナ間の平和構築のためにハマスのリーダーと会談したい、と発表した。ハマスは事実上パレスティナの与党なのだから、彼らを無視し続けていてはイスラエル-パレスティナ間の状況に何の進展も生まれない、と考える外交・中東情勢専門家は多く、カーター元大統領もその1人であった。(ちなみにカーター元大統領は、AIPACには全く恐れを感じていないらしく、イスラエルのパレスティナに対する政策を公に批判し続けている。)
マッケイン議員もクリントン議員も即座にカーター元大統領を非難した。「ハマスのようなテロリストと、アメリカは話をすべきではない。」と言うのだ。この2人の反応は、予想されたものだった。しかし、少し遅れてオバマ議員も同様の反応を示した時、私はがっかりした。と共に、イスラエル・ロビーの強さを改めて思い知らされた。従来の政治家達とはあらゆる面で違うオバマ議員も、イスラエル・ロビーには他の政治家達と同様、平伏してしまわなければならないのだった。大統領は変わっても、AIPACがいる限り、アメリカの歪んだ中東政策はいつまでも続くのだ、と認識した。
ところが今日、このようなニュースを目にした。なんと、AIPACに対抗する、平和主義のユダヤ系ロビー団体が誕生した、というのである。「J Street」というこの団体は、イスラエルとパレスティナの平和的共存と中東の平和構築をポリシーとして掲げ、このポリシーを支持するよう政治家達をロビーする。
もちろん今の段階では、J StreetはAIPACとは比べ物にならないほど小さなロビー団体であるが、早くAIPACを凌ぐほどの大きさになってもらいたいものである。想像してみていただきたい:アメリカの政治家がAIPACの報復を恐れずにイスラエル-パレスティナ問題について発言し、そして問題に取り組む。メディアはAIPACの報復を恐れずに中東情勢を報道する。大学教授はAIPACの報復を恐れずに中東情勢を教える。
そんな日が早く訪れてほしいものである。
J Streetを応援されたい方は、寄付することができる。
「レイニング・マッケイン」で大反響を呼んだ(笑)、マッケイン・ガールズの第二弾。
ユーリズミックスの「ヒア・カムズ・ザ・レイン・アゲイン」のカバーで、「ヒア・カムズ・マッケイン・アゲイン」。
見てはならない!と目をふさぐものの、つい指の隙間から恐る恐る見てしまうような、そんなビデオだ。
サンフランシスコの住民たちが、来年1月に引退する偉大なブッシュ大統領に敬意を表し、サンフランシスコの下水処理場の一つ「オーシャンサイド下水処理場」を大統領記念碑にしようと署名運動を行っている。
充分な署名が集まれば、この素晴らしい提案を承認するか否かについて、11月の選挙で市民投票が行われることとなる。
これが「ジョージ・W・ブッシュ下水処理場」を実現すべく活動を進めている「サンフランシスコ大統領記念碑委員会」のサイト。(お馴染みの鷲が、トイレのプランジャーを握っている。)
今週の月曜日と火曜日にPBSにて放映された「Bush's War」は、対イラク戦争を巡るブッシュ政権の内部闘争についてのドキュメンタリーだ。
2001年の9-11テロ事件直後、チェイニー副大統領やラムズフェルド国防長官(当時)を筆頭とするネオコン派は、表面上ではオサマ・ビン・ラーディンとアル・カイーダに対する攻撃に焦点を当てているようで、実は裏では、同事件を利用してイラクを攻撃できないものか、と、対イラク作戦を可能にする為の作戦を既に練り始めていた。しかし、テロ事件とは何の関係もないイラクへの攻撃に反対する者もブッシュ政権内にいた。「Bush's War」は、このように対イラク戦争に反対する者の打倒から始まって、それ以降も同戦争に関して自分達の思惑通りに動けるように、ネオコン派が邪魔者や障害物を次々と排除していく様を、詳しくリポートしている。(という噂だ。私もまだ見ていない。)
このドキュメンタリーを見逃した方、またはアメリカの外側に住んでいらっしゃる方は、PBSのウェブサイト上("Watch the Full Series Online")で観ることができる。Part OneとPart Twoに分かれていて、Part Oneは15のチャプターから、Part Twoは11のチャプターから成っている。
大変興味深いドキュメンタリーらしい。どうぞご覧ください。
民主党の大統領候補を決める予備選だが、今の段階では、ヒラリー・クリントン連邦上院議員は、勝利した州の数、獲得した投票総数、獲得した各州の代議員数、と全てにおいて、バラク・オバマ連邦上院議員に劣っている。(予備選のシステムについてはこちらをご参考のこと。)例え残りの州全てにおいてクリントン議員が勝ったとしても、今のオバマ議員のリードを覆すチャンスはもはや無きに等しい。
クリントン議員が勝つには、特別代議員に頼るしかない。特別代議員は、民主党の有力者たちが務める。特別代議員のシステムは、一般有権者に大統領候補を選ぶ権利を任せてはいられない、として数十年前に設置された非常に反民主主義的なシステムである。各州の一般有権者の投票数により、代議員の割り当てが終わり、B候補よりA候補の方がより多く代議員を獲得したとする。理屈ではA候補が民主党の大統領候補になるはずだが、ここで特別代議員が割って入るわけである。もしA候補が気に入らない場合、特別代議員たちはB候補を支持し、Bを大統領候補にのし上がらせることが可能なのである。
今の段階では、クリントン議員を支持する特別代議員の数は、オバマ議員を支持する特別代議員の数よりほんの少しだけ多い。しかし、どちらの議員を支持するかまだ表明していない特別代議員は多く、クリントン議員のキャンペーン団は、「未定」の特別代議員を買収しようとして必死だ。しかし、クリントン議員のオバマ議員に対する汚い攻撃のやり方から、クリントン議員にうんざりしている「未定」特別代議員も多い。また、特別代議員のほとんどは連邦議員や州知事などで、自分達も選挙によって選ばれる身であることから、彼らは一般有権者の意思を無視した形で大統領候補の支持を表明し、一般有権者の怒りを買うことだけは、避けたいと思っている。つまり、クリントン議員はほとんど絶望的な状況にある。
普通なら、このように不利な状況にある民主党候補者は、ここでもうさっさとあきらめて予備選から抜け、有利な民主党候補者が11月の大統領本選にて共和党候補者を打倒できるように、彼のサポートに回るのが筋というものだ。
なぜクリントン議員は、さっさとそうしないのか。なぜ予備選に残ってオバマ議員を攻撃し続けるのか。予備選が長引けば長引くほど、オバマ議員の本選に対する準備が遅れることから、マッケイン議員に対して不利になる。一方マッケイン議員は、本選に向けて準備を着々と進めている。つまり、クリントン議員は、本選における民主党敗北のチャンスを大きくしているというわけだ。
人々は、クリントン議員のエゴがそうさせているのだろう、と言う。確かにクリントン議員はエゴの強そうな女性だが、彼女がそのエゴだけでオバマ議員と民主党を引き摺り下ろすか、といえばそれは間違っていると思う。
クリントン議員を駆り立てているのは、過去16年間影で民主党の実権を握ってきた「体制」である。16年前に夫のクリントン大統領が大統領になった時、彼は、DLC(民主党リーダーシップ議会)という組織の政治コンサルタント達と共に、民主党の新しい方向性を打ち出した。「新しい方向性」とは、民主党をもっと共和党寄りの党にすることであった。DLCのアジェンダのトップにあったのが、企業にとって好意的な政策を執り、企業からの献金を増やすことであった。企業からの献金が民主党内に溢れてくるに従って、DLCの民主党におけるパワーは確固たるものとなった。民主党議員達は、DLCの言うことを聞かざるをえなかった。
前に民主党議員たちがなかなか対イラク戦争を終わらせることができないのは、クリントン議員のバックについている政治コンサルタントたちのせいである、と書いたことがあるが、これがまさしくDLCである。DLCが、民主党議員達をがんじがらめにしているのである。
2000年、2004年の大統領選でも、民主党候補者(アル・ゴア元副大統領、ジョン・ケリー連邦上院議員)は、DLCの言うとおりにキャンペーンを行った。結果、2人とも共和党候補者に敗北してしまった。共和党候補者との違いを国民に明確に見せ付けることができなかったからだ。(「共和党寄り」がDLCのモットーなのだから、当然だ。)
しかし2004年の民主党の大統領予備選では、面白い状況が持ち上がっていた。DLCとは何の関係も無い、元バーモント州知事のハワード・ディーン氏が、リベラルな有権者の間で大人気となった。ディーン氏が対イラク戦争に反対したこと、そして、政治史上初めて、インターネット上の草の根キャンペーン、つまりネットルーツ・キャンペーンを効果的に展開させたことが原因である。つまり、ディーン氏は、「人々の、人々による、人々の為のキャンペーン」を展開させたのである。
DLCは、ディーン氏を止めなければならない、と思った。民主党の実権を握るのはDLCであって、断固として「人々」であってはならないのだ。DLCはありとあらゆる手段を使ってディーン氏を痛め付け、ケリー議員を民主党の候補者に仕立てあげた。ケリー議員は、本当はもっとリベラルで面白い政治家だと思うのだが、DLCに骨抜きにされた感じで、大統領本選では、本当に情けないキャンペーンを行っていた。結果、ブッシュ大統領に敗れた。(これに懲りて、ケリー議員は今、DLC/クリントン議員ではなく、オバマ議員を大統領候補として支持している。)
大統領候補への道を閉ざされたディーン氏は、民主党の権威体制を根本的に変えなければならない、と思った。だから、民主党委員会の委員長にさっさと収まり、「人々が参加する民主党政治」を実現するために草の根活動を全国で行っている。これが大成功で、2006年の選挙で民主党が大勝したのも、ディーン氏の力による所が大きい。DLCは、ディーン氏を民主党委員会から追い出したがっているが、ディーン氏は民主党内ですっかり尊敬を集めてしまっているため、手を出すことが出来ないでいる。
そして、ディーン氏のやり方を引き継ぎ、更に進歩させたのが、オバマ議員である。オバマ議員は、DLCを始めから拒絶し、「人々主体」の大統領予備選キャンペーンを行っている。クリントン議員の場合は、大企業による多額の献金が彼女のキャンペーンを可能にしているが、オバマ議員の場合は、百万人もの人々が100ドル以下の献金を持ち寄って(私もその1人だ)、彼のキャンペーンを可能にしているのである。オバマ議員のは、本当に人々の力によるキャンペーンなのである。
ディーン氏が民主党委員長のままで、オバマ議員が大統領になれば、もちろん民主党におけるDLCの影響力は小さくなってしまう。というより、DLCはお払い箱になるだろう。DLCは、そしてクリントン議員は、それを恐れているのである。16年間君臨してきた民主党の最高権威としての地位。簡単には諦められぬわけだ。特にDLCの政治コンサルタント達は、自分達の職が無くなるわけだから必死だ。彼らは、クリントン議員に自分達の生命を託しているのである。
だから、クリントン議員は、本当に最期の最期まで予備選に残って戦い抜くつもりだろう。それが大統領本選における共和党勝利-民主党敗北(オバマ議員敗北)につながるとしても。オバマ議員が本選で敗北すれば、少なくとも、DLCの存在を維持することができるからだ。