Controversial Pentagon Official is Stepping Down
New York Times、Jan. 27, 2005
米国国防省政策次官のダグラス・ファイス氏が、 辞任すると発表した。 ブッシュ大統領の一期目が終わり、世代交代ということで辞任した閣僚達は結構いるが、ファイス氏はちょっと事情が違う。 表向きに は辞任の理由を、家族との時間をもっと大切にしたいから、と述べるファイス氏、実は彼の事務所は、連邦議会及びFBI(連邦捜査局)の捜査対象とされてい ることが発覚。 明らかに、これらの捜査が表沙汰になる前に国防省から去っておこう、ということのようだ。
ファ イス氏は国防省内で、「近東・南アジアにおける特別計画事務局」を設置するにあたり中心人物となった人である。 サダム・フセインが大量破壊兵器を所持し ている、そして、フセイン とアルカイダは協力関係にある、などという、今では事実ではなかったと判明している情報を流したのは、この事務局だ。 このことからファイス氏は、巷で 「対イラク戦争の建築者」と呼ばれている。 連邦議会は、「特別計画事務局」がなぜフセインに関して誤った(又は偽りの)情報を入手し、流したのか、その いきさつを取り調べ中。
ファイス氏は又、イスラエルのリク-ド党と密接な関係を持つ市民ロビー団体アメリカ・イスラエル公共事業委員会に 国防省の極秘情報を横流しした疑いで、FBIから捜査を受けている。 ファイス氏はシオニストであり、イスラエル-パレスチナ間に存在するオスロ平和条約 は破棄すべき、と主張していることで知られる。 ちなみに、ファイス氏が米政府の極秘情報をイスラエルに渡した、という疑惑が持ち上がったのはこれが初め てではなく、彼が以前米国国家安全保障会議のメンバーだった時代にも同様の疑いが掛けられ、同会議から身を引いている。 (が、この時は米政府からは何の お咎めもなかったようだ。)
Informed Comment Professor J. Cole, University of Michigan, Jan. 28, 2005
これは少々オフ・トピックだが。
在日韓国人である鄭香均さんに対して、日本国籍を所有していないことを理由に管理職試験の受験を拒否した東京都の行為は合憲、という判決を日本の最高裁が下した。
私 的な意見だが、私は日本政府が(地方であろうと中央であろうと)外国籍の人を政府内で雇わない、又は昇任させない、という方針を持っていることに問題はな いと思う。 アメリカでも、政府は、公共政策に関係する政府内の職務につき、外国人の採用を断ってもよいことになっている。
鄭 香均さん の問題の真髄は、日本政府が二重国籍を許可しないことにあるのではないだろうか。 鄭さんが日本生まれであるなら、日本国籍が自動的に与えられるべきだっ たのだ。 鄭さんが韓国籍を維持したければ、それはそれでよし。 それに関係なく、日本政府は鄭さんに日本国籍を与えるべきで、日本国籍または韓国籍のど ちらを取るかの選択を彼女に強要したことがおかしい。
アメリカ及びヨーロッパの国々では、国 民がいくつ市民権を持っていようが政府は別に気にしないので、二重や三重の市民権を持っている人はざらにいる。 例えばアメリカに移住したフランス人は、 アメリカの市民権を取得し、アメリカの政府で働くことができる。 フランスの市民権も維持でき、フランス人としてのプライドも保てるわけだ。
鄭香均さんにも同様の機会が与えられるべきだった。
国から国へ渡り行く人々の多いこのグローバライゼーション時代に、多重国籍の許可は常識ではないだろうか。日本政府にはもっと先進的に考えてもらいたいものだ。
Singles' Sex No Longer a Va. Crime
Washington Post, Jan. 15, 2005
先 日バージニア州最高裁が、結婚していない者同士の間で性交渉を行うことは犯罪であると定めた州法を、国の憲法違反であるとして無効にする判決を下した。 この州法は200年ほど前に作られた古いものであり、もちろん現代に入ってからは、同法に違反した罪で実際に逮捕された人はいなかったようだ。 (しかし ながら、21世紀になってもこのような法律が存在するということに少々違和感を感じざるを得ない。 ちなみに、未婚者の性交を犯罪とする州法は、現時点で バージニアの他にも10州ほどで存在しているらしい。)
このバージニア州最高裁の裁決は、2003年の連邦最高裁のLawrence v. Texas(「ローレンス」のケース)における裁決を判例とし、それに従ったものだ。
「ロー レンス」のケースとは、テキサス州民でゲイであるローレンス原告が、同性間の性交を犯罪と定めるテキサス州法は国の憲法違反であるとして、同州を訴えたも の。 連邦最高裁はまず、大人同士の間で相互了解に基づいて性交を行うプライバシーの権利は、憲法で保護されるところの米国民の自由権に相当する、と断 言。 そして、その国民の自由権を州法によって干渉しているテキサス州は、その干渉行為を正当化できる理由に欠いており、その干渉行為は、米国民に適正な 法の保護を保証する憲法修正第14条に違反している、との判決を下した。
バージニア州最高裁は、この連邦最高裁の判決を踏まえて、大人同士の間で相互了解に基づいて性交を行うプライバシーの権利は、既婚者も未婚者も同様に持っているはずである、とし、未婚者同士の性交を禁ずるバージニア州法を、憲法修正第14条違反であるとしたわけだ。
他の州でも、いづれ同様の州法が憲法違反とみなされ、無効にされることになるのだろう。
ブッシュ氏の大統領就任式に、証券・投資業界の企業達が莫大な献金を行った裏には、明らかに、国のソーシャル・セ キュリティ(社会保障)口座の部分民営化 をなんとしても実現させてほしい彼らの思惑がある。 これに答えるかのように、ブッシュ氏及び共和党政治家達は、ソーシャル・セキュリティ口座の部分民営 化を掲げた国民向けキャンペーンを、一気にスタートさせた。 テレビニュースや政治番組が、この話題をこぞって扱い始めた。
ワシントン・ポスト紙に よると、ソーシャル・セキュリティを民営化する立法の必要性を国民に説く為に、5千万ドルから1億ドルが費やされるだろうとのこと。 出費先は、テレビ・ コマーシャル、テレマーケティング、新聞や雑誌のライター買収、などが考えらる。 ホワイトハウス及び共和党寄りのいくつかの政治団体が、既に数百万ドル 単位で資金調達を行っている模様。
多額のお金を費やしての一大キャンペーンだが、そのテー マは「所有権社会」。 ちなみに所有権社会と は、ブッシュ氏が昨年暮れ頃からよく使い始めた言葉で、「個人が自分の力により富を得、得た富を所有し、管理する。この過程で、国に一切頼らない」という 社会を差す。 これがブッシュ氏によれば理想的社会なのだそうで、ソーシャル・セキュリティ民営化は、この理想社会への第一歩を意味するのだそうだ。
そ のテーマと平行して使われているキャンペーン戦術は、恐怖。 「人口の高齢化及び出生率低下の為、ソーシャル・セキュリティ口座は危機に瀕している。 こ のまま国に任せていたのでは、直に破綻してしまう。 労働者達は引退後、年金の配当がもらえなくなる事態に陥るだろう。」と、国民を恐怖に落とし入れてお いて、「しかし解決策が一つある。 今のうちに、ソーシャル・セキュリティ口座を少なくとも部分的に民営化、つまり、国民一人一人がソーシャル・セキュリ ティ口座の一部を自由に投資できるようにすることだ。」と持っていくわけだ。 現段階では、国民の大半がソーシャル・セキュリティ民営化に反対している が、1億ドルのキャンペーンの後、世論はどう転ぶか。
経済学者達はみな口を揃えて、「ソー シャル・セキュリティ口座がこのままでは破綻す る、というのはただの脅し。 民営化こそが、ソーシャル・セキュリティ口座からお金を流出させる最大の原因となるであろう」と述べている。 民主党や労働 者組合、高齢者組合などの民営化反対派グループが、どうやってこの経済学者達のメッセージを国民に伝えるかが、また見物だ。
先日ブッシュ氏の二期目の大統領就任式が行われた。 私は式の模様は全く見ていないが、4千万ドルが費やされ、これ までにない派手で大規模なセレモニーが 展開された模様。 対イラク戦争における米兵犠牲者の数が上昇中であり、しかも南アジアでの津波による大災害があったばかりであるというのに、なんて不謹 慎な!という非難の声が、民主党の政治家や一般市民の間でも上がっている。
さてこの就任式を大規模に行うことができたのも、多額の企業献金があればこそ。 一体どの会社がいかほどの金額をこの就任式の為に費やしたのか?
大統領就任式実行委員会のウェブサイトによると:
シェブロン・テキサコ、エクソン・モービルなどの石油会社がそれぞれ25万ドルづつ、また、軍事産業のロッキード社が10万ドル献金している。 これは当然というか、全然驚くべきことではない。
投資・証券業界からは、ゴールドマン・サックス、モーガン・スタンリー、JPモーガンなどが10万ドルづつ。
ハイテク業界からは、マイクロソフト、オラクル、シスコ、そして京セラと携帯電話部門で合併したクォルカムが、それぞれ10万ドルづつ。(デルは熱心なブッシュ支持で知られているが、今回は献金を見送った模様。)
コカ・コーラとペプシ・コーラは、仲良く10万ドルづつ。
ホテル業界からは、マリオットとリッツ・カールトンが25万ドルづつ。
野球コミショナー事務局が、10万ドル。
医薬品会社のファイザーは、25万ドル。
以上、大統領就任式実行委員会に献金した数々の企業の中から、主なものを挙げてみた。