調査ジャーナリストのシーモア・ハーシュ氏が、ニューヨーカー誌上にて報道したところによると、ブッシュ政権は、裏で、イランに対する秘密工作を既に進めている。(率先しているのは、いつものことながらチェイニー副大統領。)シーア派のイランに対立するスンニ派のテロリスト組織に、サウジアラビア王家を通じて資金を渡し、イランに対して立ち上がるよう扇動しているそうだ。
ちなみにアル・カイーダはスンニ派のテロリスト組織であり、スンニ派のテロ組織は大抵アル・カイーダと密接な関係を保っている。
9-11テロ事件から6年後、アル・カイーダの仲間達と協力関係を結んだブッシュ政権。連邦法では、テロ組織に資金を与える行為自体がテロとみなされ、重罪であるのに、ブッシュ政権がやる分にはいいわけだ。ちなみに、スンニ派のテロ組織はみなアメリカを敵とみなしているのだが、彼らに資金を渡して組織を成長・拡大させることは、果たしてアメリカにとってよいプランなのだろうか?サウジアラビア王家は、「責任持って彼ら(テロ組織)をコントロールする」と言っているらしいが。どうやってテロ組織をコントロールできるのか不明だ。
このブッシュ政権の秘密工作は、中東情勢をより混乱させるだろう、と見られている。
それにしてもブッシュ政権の恐ろしくもわけの分からない外交政策、なんとかならないものだろうか???
民主党の大統領選候補者を選ぶ予備選は、既にどろどろし始めている。9人いる民主党立候補者の中で、今最も有力とされているヒラリー・クリントン連邦上院議員と、次に有力視されているバラク・オバマ連邦上院議員の間のどろどろは、特に目につく。
現在各立候補者は、選挙キャンペーンの資金作りに必死だ。裕福な献金者を一人でも多く獲得すべく、各立候補者の間で血みどろの闘いが繰り広げられている。もちろんクリントン議員は、夫が大統領であったため、いとも簡単に裕福な献金者を次から次へとものにしている。しかし、対イラク戦争を支持した彼女にどうしても金をやれない、という献金者たちもいる。ハリウッドの大物達だ。彼らは、始めから対イラク戦争に反対していたオバマ議員を好んでいる。
先日、ビバリーヒルズのホテルでオバマ議員の為の資金集めパーティーが開かれ、映画監督/プロデューサーのスティーブン・スピルバーグ氏、俳優のトム・ハンクス氏やデンゼル・ワシントン氏、映画製作会社のユニバーサルやパラマウントの社長/会長などがどっさりとお金をもって現れた。そして、その中でも最も巨額の献金をオバマ議員に調達したのが、ゲフィン・レコードの創業者であり、ドリームワークスをスピルバーグ氏と共に創業したデイヴィッド・ゲフィン氏であった。ゲフィン氏は、パーティーの後にオバマ議員を自宅に招待し、資金集めパーティー第二弾を主催したくらいだ。
ゲフィン氏はビル・クリントン元大統領と親しい仲だったので、すっかり彼の献金に頼れると思い込んでいたクリントン議員は、裏切られた気分になった。その上、ゲフィン氏がニューヨーク・タイムズ紙のコラムニストに語った言葉が、彼女の怒りを爆発させた。ゲフィン氏が述べたことを抜粋すると:
オバマはインスピレーションを与えてくれる人物だ。そして彼は、ブッシュ王家の出身でもクリントン王家の出身でもない。
イラクではアメリカの兵士たちが毎日死んでいる。
「対イラク戦争を支持したのは間違いだった。」と言うのは大したことではない。しかしそれもできないのは、典型的ヒラリー・クリントンだ。そのように頭のいいアドバイザー達から言われているんだろう。
オバマがクリントンに勝ってくれるといいのだが。あの機械(クリントン議員の選挙キャンペーン団)は、意地悪で、魅力もないが、うまくやるだろうからね。
怒ったクリントン・キャンペーン団は、オバマ議員に、このように他の立候補者の悪口を言うゲフィン氏と関係を絶ち、受け取った献金を全額返すように、と要求した。それに対し、オバマ・キャンペーン団は、このように返答した。
クリントン家と昔クリントン家の支持者だった人物の仲違いの間に、我々は入りたくはない。
ゲフィン氏がクリントン大統領(当時)に1800万ドルの献金をし、よくホワイトハウスに招待され、リンカーン・ベッドルームで眠っていた頃は、クリントン議員は彼に対して何の不満もなかったくせに、皮肉なものだ。
また、(「立候補者の悪口をいう人物との関係を絶て」という)クリントン議員が、サウスカロライナ州議員のロバート・フォード氏を賞賛し、彼の支持を全面的にありたがく受け入れたのも、皮肉だ。フォード氏は、「もしバラク・オバマが民主党の大統領候補者に選ばれたら、民主党全体を引き摺り降ろしてしまうだろう。彼は黒人だからな。」と言った人物なのだから。
ヒラリー・クリントン対バラク・オバマ、この2人の闘いは、この先もっとどろどろしそうだ。
ところで、オバマ議員は、「ブッシュ王家の出身でもクリントン王家の出身でもない」から良い、というゲフィン氏の考えに私は賛成だ。考えてみてほしい。もしクリントン議員が大統領になれば、アメリカは、1988年から2012年、もしくはその数年後まで、ブッシュ家とクリントン家の2家によって統治されることになるのである。まるでローマ帝国のようだ。権力と金とコネが最も備わった者しか大統領になれない、ということを証明しているようなものだ。今の時点では、クリントン議員が大統領になれるかどうかはっきり言って分からないが、民主党予備選には、権力と金とコネの力で勝つだろう、という気がする。
イギリスの心理学者たちが様々なデータを元に、世界のそれぞれの国の国民の「幸福感」度を弾き出した。国民が最も幸せな国ベスト10は、以下のとおり。
1. デンマーク
2. スイス
3. オーストリア
4. アイスランド
5. バハマ諸島
6. フィンランド
7. スウェーデン
8. ブータン
9. ブルネイ
10. カナダ
これを見ても分かるように、社会保障制度の整った国、つまり税金を国民の福利の為(健康、教育、文化、高齢者の福祉など)にちゃんと使っている国は、国民が幸せのようだ。税金のほとんどを国民の福利の為にではなく、軍需産業と石油産業の福利の為に使っているアメリカは23位。日本はなんと90位だった。日本政府は、アメリカに言われるがままの政策をとるのではなく、自国の国民を幸せにする政策を考えるべきではないのか?
日本の刑事裁判の実態を描いた周防正行監督の「それでもボクはやってない」、英語タイトル「 I Just Didn't Do It 」を観たいのですが、どなたか南カリフォルニアでの上映スケジュール情報を目にされましたら、是非とも教えてください。英エコノミスト紙によれば、アメリカでもすでにプレミアがあったそうですので、そろそろ各地で観られるのではないか、と期待しているのですが。
どうぞお願い致します!
UPDATE: 友人がAltamira Pictures に問い合わせてくれました。(そうか、そういう方法があったのか。) いただいた返答によると、アメリカではまだ配給先が決まっていないのだそうです。上映スケジュールが決まり次第、連絡をしてくださるそうです。その時には当ブログ上でお知らせいたします。
1920年代から、女性の権利擁護家達は、合衆国憲法に、「性別に関係なく法の下に平等な権利を保障する」改正条項(Equal Rights Amendment、略してERA)を付加したい、と主張してきたが、未だ実現していない。ちなみに、日本の憲法はちゃんと保障しているのだ。(日本国憲法第14条-「すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。」)
連邦法である公民権法では、人種、性別、宗教などによる差別を禁止している。しかし、ERAの支持者達は、やはり合衆国憲法で男女平等を明確化したいと考えている。
また、政府が何らかの理由で市民を差別してしまい、その特定の差別が、合衆国憲法の「法の平等な保護を保障する」条項に違反しているか否かを審査するのに、連邦裁判所は、人種や宗教や出身国による差別には厳しいスタンダードを適用するが、性別による差別には、少しゆる目のスタンダードを適用するのが常となっている。合衆国憲法にERAが付加されれば、人種や宗教と同様、性別による差別も厳しいスタンダードで審査されるようになるだろう。
ERAは、何10年もの間に渡って連邦議会で議論され続けた後、やっと1972年に可決され、各州に批准の為に送られた。38州が批准しさえすれば改正条項付加が実現するのだが、1982年に35州で批准されて以来、そのまま止まってしまった。批准を拒否している州は、保守派の州(アラバマ、アリゾナ、アーカンソー、フロリダ、ジョージア、ルイジアナ、オクラホマなど)が多い。
ところがここ最近、ERAを批准していない各州で、ERAを批准しようという動きが始まったのだ。
もしかしたら、この数年間のうちに、ERA付加が実現するかもしれない。
今日2月19日は、第二次世界大戦中に強制収容されたジャパニーズ・アメリカンの追憶日である。1942年2月19日、ルーズベルト大統領が大統領令を発令し、西海岸に住む約120,000人のジャパニーズ・アメリカンが、砂漠の真ん中の収容所に送り込まれた。
政府が西海岸のジャパニーズ・アメリカンを強制収容した表面上の理由は、こうであった: 日本人を親や祖父母に持つ彼らは、日本軍に協力し、米軍の脅威となる危険性がある。つまり、彼らの強制収容は、対日戦に勝つ為に軍事的に必要不可欠な手段である、というのだ。しかし今では、その理由付けは偽りであることが分かっている。
1年半ほど前、ワシントンDCにある政府書類保管機関、ナショナル・アーカイブにて、カナダの歴史学者グレッグ・ロビンソン氏がとある書類を発見した。それは、ジャパニーズ・アメリカンの強制収容を大統領に薦めたジョン・マックロイ軍次官補が、ロバート・パターソン軍次官に宛てて書いた1942年7月23日付けのメモであった。それには、次のように書かれてある。
彼ら(西海岸のジャパニーズ・アメリカン)を、(軍事的に危険な行動を犯すかもしれないと)疑っているわけではありません。彼らを収容したのは、我々が、カリフォルニアの白人を、コントロールできないと悟ったからです。
カリフォルニアの白人をコントロールできない、とはどういうことか、というと: 当時アメリカでは、ジャパニーズ・アメリカンは他のマイノリティ同様、白人から人種偏見の目で見られていた。ただ西海岸では、ジャパニーズ・アメリカンのコミュニティがより経済的成功を収め始めていた為に、白人コミュニティは、人種偏見に嫉妬が混ざった、一層強い憎悪感を彼らに抱いていたのである。そして日本との開戦が、ジャパニーズ・アメリカンに対する白人コミュニティのヒステリアを爆発させた。
西海岸の白人コミュニティにプレッシャーを受け、政府はジャパニーズ・アメリカンを西海岸から追い出したのだった。西海岸の白人コミュニティのご機嫌をとる為、といっても過言ではない。
だから、東海岸やハワイに住むジャパニーズ・アメリカンは強制収容されなかった。
ノース・カロライナ大学で合衆国憲法を教えるエリック・ミュラー教授は、このような書類をナショナル・アーカイブで発見している。これは、1943年2月4日に、前述マックロイ軍次官補に仕える高官と、陸軍憲兵司令官のアシスタントとの間で交わされた、電話上の会話の記録簿である。就職や軍隊加入の為にジャパニーズ・アメリカンが収容所から出ることを許可する、と発表したとたん、政府が抗議の嵐を受けたことについて:
この抗議の裏を知っているだろう。西海岸からだ、もちろん。
ああ、そうだな。
抗議の背景には色々あるが、大部分は経済的なものだ。西海岸は、ジャパニーズ・アメリカンを追い出す方法を見つけ、彼らを追い出した。もう彼らを戻らせたくない。彼らの土地や所有物を取り上げたいのさ。「愛国者」のすることではないね、どう考えても。
その通りだ。
もちろん、彼ら(西海岸の白人)は、「国家安全保障」と「愛国心」の名目で抗議しているがね。
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ジャパニーズ・アメリカンの強制収容に関する興味深いサイトや資料を紹介しておこう。
*自分達の市民自由権を凌辱した政府に対し、強い行動に出た勇気のあるジャパニーズ・アメリカンについて。
(a) 政府を相手に法的闘いを挑んだ方々のバイオグラフィー
フレッド・コレマツ (コレマツ氏については、逝去された時にちらっと書いたことがある。)
ミツエ・エンドウ
ゴードン・ヒラバヤシ
(b) 米国市民権を放棄した若いカップルを描いた映画
From a Silk Cocoon
(c) 徴兵を拒んだ若者達を描いた映画
Conscience and the Constitution
*写真家アンセル・アダムス氏が撮った収容所の写真のコレクション
Born Free and Equal (Ansel Adams), Library of Congress
(右上の”NEXT IMAGE”をクリックすると、次のページに行ける。)
*収容所で育った子供達のドキュメンタリー
Children of the Camps
*資料サイト
Densho
パワーポイントを、プレゼンテーションの補助として使う代わりに、プレゼンテーションの主体(つまりパワーポイント=プレゼンテーション)として使ってしまうと、そのプレゼンテーションは極端に単純化し幼稚化してしまうものだ。一枚一枚のスライドに収まる短い言葉の羅列と表グラフで説明できることには、限りがあるからだ。
では、パワーポイントを使った戦争の戦略構想など、想像できるであろうか?
2002年8月に米軍中央司令部によって作成された、対イラク戦争の戦略パワーポイントがここにある。機密扱いが解けた政府の書類を収集するナショナル・セキュリティ・アーカイブが、入手したもの。
このパワーポイントで明白なことは、戦争というコンセプトが恐ろしいほど単純化されていることだ。占領 -> フセイン政権打倒 -> 万々歳、と、着々と事が運ぶものと前提されている。ビデオ・ゲームでもこんなに簡単にいくまい。
フセイン政権を攻撃し終わった後は、「UNKNOWN(未定)」と記されていることからも分かるように、何の計画もないことが伺える。それでも、「2006年度の現地の米兵の数は、5千人」と予想しており、何を根拠にこの数字を弾き出したのかよく分からない。
戦争というものは、大勢の「人間」を巻き込むものである。ところが、このパワーポイントによれば、「人間」はまるで存在しないかのようである。現地の人々の民族形成と各民族間の関係、この戦争が彼らに及ぼすであろう影響と、考えられる彼らの反応(家族を殺され、自分の国を占領されれば、協力するどころか敵対するだろうと普通は推測できるが)、現地に送られる米兵士が抱えるであろう問題、などなど、「人間」に関する分析やデータや予測は、このパワーポイントからまるっきり抜けている。
このパワーポイントを元に戦争をおっ始めたのだから、背筋が寒くなる。
対イラク戦争は違法であるとして、同戦争に参加することを拒否したエレン・ワタダ陸軍中尉が軍法会議に掛けられていたが、今日、軍事裁判官により、この裁判は無効であると宣言された。よって、3月に軍法会議が再度開かれることとなった。
今回の裁判が無効になったのは、裁判前にワタダ中尉と軍検察官の間で作成された双方の事実認識に関する合意書に誤りがある、つまり、両者の事実認識に食い違いがあったことが分かったからだった。
軍検察官は、こう主張した: この合意書にサインしたということは、ワタダ中尉は、イラクへの移動命令に背いたことにより、自分の任務を遂行しなかった、と認識しているのだ。
一方ワタダ中尉は、こう述べた: この合意書にサインしたのは、イラクへの移動命令に背いたことを認識しているからである。しかし、不法なイラク戦争に参加することが自分の任務であるとは認識していない。
軍 法会議がまた一からやり直されるということは、ワタダ中尉にとっては利点となるのではないか、と見られている。時間が経つにつれて国内の反戦ムードもより 大きくなりそうなので、ワタダ中尉に対する世間の同情も高まり、彼をヒーロー視する人々も沢山出てくるだろう。世論のプレッシャーというのは、裁判には全 く関係無いようでいて、少しは影響を及ぼすものなのである。今回は「言論の自由」と「戦争の違法性」を弁護として持ち出すことを禁止されたが、次の裁判で は許可されるかもしれない。
Mistrial Declared in War Objector Court-Martial, Reuters, February 7, 2007