25日にPBSで放映された"Buying the War"は、もうインターネット上で観ることができる。
こちらで、BUYING THE WARと書かれてある下側にあるWATCH VIDEOをクリックして、どうぞ。(90分)
対イラク戦争を始める為に、フセインが大量破壊兵器を持っているだの、テロリストと関わりがあるだのと偽りの情報を発信したブッシュ政権と、それをうのみにして報道した主流メディア。
なぜ主流メディアは、ブッシュ政権から提供された情報の裏に隠された事実を調査しようとしなかったのか。
引退していたジャーナリストの大御所、ビル・モイヤーズ氏がPBSに戻ってきて最初に作成した番組、”Buying the War"は、どのように主流メディアのリポーターやジャーナリストが、真実を追求して報道するという自分たちの任務を怠ったか、容赦なく暴露する(らしい)。
"Buying the War"のトレイラーはこちら:
"Buying the War"はほとんどの地域で明日25日に放映される予定。アメリカに住んでいらっしゃる方は、ローカルPBSで何時に放映されるか、こちらで確認して、是非ともご覧いただきたい。
部分出産中絶禁止連邦法が施行されてから、ネブラスカ州の婦人科の医師達が、この法律は違憲であると連邦政府を訴えた。一方、カリフォルニア州でも、産婦人科の病院が同様に連邦政府を訴えた。この両方のケースにおいて、それぞれの連邦地域裁判所は、「母体を救う為に必要な場合は、このD&Eを許可する」という言葉がこの法律から抜けていること(つまり、この法律からは母体の安全に対する配慮が欠けていること)、妊娠中絶を選ぶ権利を行使する女性に不当に負担をかけること、法の定義が曖昧、などの理由で、部分出産中絶禁止連邦法は違憲である、と判決を下した。連邦政府はどちらのケースにおいても上訴したが、どちらにおいても、連邦控訴裁判所は連邦地域裁判所の判決を支持した。
両方のケースにおいて連邦政府は連邦最高裁判所に上告した。そして連邦最高裁が、この2つのケースを1つにまとめて下したのが今回の判決である。部分出産中絶禁止連邦法は合憲である、という判決だ。
この判決の内わけは、5対4。多数派はもちろんのこと、超保守派4人(ロバーツ、アリト、スカリア、トーマス)と中道保守派1人(ケネディ)。
この連邦最高裁の審理に当たっては、産婦人科医学会が、「胎児を引き裂かないで引っ張るD&Eは、他のD&Eに比べて、最も母体にとって安全な方法であるから、禁止されるべきではない。」と意見書を提出していた。にも関わらず、医学について何の知識もないこの保守派の5人の裁判官が、医者達に、「このD&Eを行えば、お前は犯罪者だ。」と断言したわけである。
しかも、多数派を代表して書いたケネディ判事の意見文によれば、「妊娠中絶は反モラル的で、沢山の女性が中絶を行った後に後悔している。ということは、妊娠中絶は女性にとって良くない医術であるということである。政府は女性を守るために、そのような医術を制限する権利がある。」という。
ちなみに、「沢山の女性が中絶を行った後に後悔している」というレポートは、妊娠中絶に反対するキリスト教保守派団体から提出された意見書にあったものである。つまり、ケネディ判事は、「胎児を引き裂かないで引っ張るD&Eは母体を守るために必要」という医学会の意見書は無視しているのに、この宗教団体の意見書には重きを置いているわけだ。
例え、沢山の女性が中絶を行った後に後悔しているということが事実であったとしても、それを基にして、止むを得ない理由(レイプによる妊娠、健康上の理由など)で妊娠を終わらせたい女性全てにとって中絶手術が良くない医術である、とは断言できないはずである。
それにしても、母体を救うためのD&Eを、「女性を守る為」という口実で禁止する。この矛盾した理論には首を傾げてしまう。
また、何が反モラル的かというのは個人が決めることであって、政府や裁判所が決めるものではない。裁判官は法を解釈するのが役目であって、自分のモラル感を市民に押し付けるのが仕事ではない。
この判決を見るに付け、オコナー判事を失った痛手は大きい、とため息をつくしかない。オコナー判事は中道保守派であったが、4人のリベラル派の裁判官(ギンズバーグ、スティーブンス、ブライヤー、スーター)と共に女性の妊娠中絶をする権利を守る側についていたから、彼女がいる間は、連邦最高裁は、ずっと5対4で妊娠中絶をする権利を保護してきた。今回も、オコナー判事がいれば、部分出産中絶禁止連邦法に対して違憲判決が下されていたことは間違いない。しかしオコナー判事が引退して超保守派のアリト判事が就任。今回の判決は連邦最高裁判所の保守化を嫌というほど象徴している。
オコナー判事が引退して、連邦最高裁でただ1人の女性裁判官となってしまったギンズバーグ判事は、反対意見文において、多数派の判決を鋭く批判している。
率直に言って、部分出産中絶禁止連邦法、そして、この法律を保護するこの裁判所の判決は、この裁判所が以前から繰り返し確認してきた「(女性の)権利」を削り落とす試み以外の何物でもない。今日この裁判所が下した判決の効力は、持続させてはならない。
Adjudging a Moral Harm to Women from Abortions, New York Times, April 20, 2007
ブッシュ政権になってから保守化が一層進んだ連邦最高裁判所が、女性が妊娠中絶する権利を狭める判決を下した。
今回の争点は、2003年に連邦議会が可決した部分出産中絶禁止連邦法。部分出産中絶というのは、連邦議会が勝手に考え付いた名前であるが、妊娠3ヶ月を過ぎてから中絶を行わなければならない場合に使用される、D&E(Dilation and Evacuation)という中絶方法の一つを指している。
妊娠初期段階、つまり妊娠3ヶ月までは、胎児を機械で掃除機のように吸い込む中絶方法が一般的である。3ヶ月以降は、まず薬で子宮頸部を広げておいて(Dilation)、ピンセットのような器具で胎児を掴んで母体外に出す(Evacuation)方法が主流。これをD&Eという。
D&Eには更に、器具を子宮に入れ、胎児を少しずつ引き裂き母体外に出す手順を何度も繰り返すという方法と、器具を子宮に入れ、胎児を引き裂かずにそのままの形で引っ張り、頭部が母体外に出た時に器具で潰すという方法がある。妊娠3ヶ月を過ぎてからの中絶は普通、妊娠-出産が害を及ぼすとみられる母体を救うために行われる。医者は、母体のその時の状況や、恐らく子宮頸部、胎児、器具の相対的サイズ、そしてその他色々なことを考慮し、どちらの方法がより母体を救う可能性が大きいかを判断する。胎児を引き裂かずにそのままの形で引っ張り出す方が、器具を何度も子宮に入れなくてもいいので、母体に負担を掛けず、傷付ける可能性も少ないと、この方法を好む医者が多い。
ところが、この胎児を引き裂かずに引っ張るD&Eに関し、1990年代後半から、「頭部を母体外に出してから潰すなんて、ひどいことだ。」と保守派の人々が騒ぎ始めた。当時共和党が多数派を占めていた連邦議会は、このD&Eを(頭部が母体外に出ることから)「部分出産中絶」と名付け、「部分出産中絶禁止法」案を2度可決した。が、2度とも、クリントン大統領が拒否権を行使し、法案に署名しなかったので、法律とはならなかった。ブッシュ大統領になってから、3度目に可決した法案がやっと法律となったというわけだ。
この部分出産中絶禁止連邦法は、胎児を引き裂かずに引っ張るD&Eだけに焦点を当てているようで、実はそれ以上の意味がある。1970年代に連邦最高裁が妊娠中絶を合法化する判決を出してから、保守派は、これを覆すべく闘っているが、その作戦は、女性の妊娠中絶する権利を徐々に削っていくことだ。部分出産中絶禁止連邦法は、いわばその作戦の一環なのだ。この連邦法ができた時点で、保守派は最初のスコアを獲得した。
そして今回、連邦最高裁がこの連邦法が合憲であると判決を下した為、保守派は更にスコアを増やしたこととなる。
タイム・ウォーナー社によって提案されたメディア刊行物の郵送料に関する改正案が、郵政委員会によって採択されようとしている。この案が採択されると、タイム・ウォーナーのように、大規模の刊行物を発行する発行者が得をし、小規模、もしくはインディペンデントな発行者にとっては不利な形で郵送料金システムが設定されることになる。
タイム・ウォーナーが発行するタイム誌のような大物政治情報誌よりも、インディペンデントな政治情報誌の方がよっぽど内容も濃く、社会に貢献している。新しい刊行物郵送料金システムは、そのインディペンデントな情報誌の存在を脅かしている。このようなことを許してはならん!と思われた方は、こちらで、郵政委員会の決断について公聴会を開いて調査するよう、連邦議会に求めることができる。
アメリカにお住まいで税金申告をご自分でされていらっしゃる方のうち、まだInternal Revenue Service (IRS)に提出されていらっしゃらない方は、federal telephone excise tax のリファンドを申請することをお忘れなく!
federal telephone excise tax は、電信通話に対して課される消費税で、1898年の対スペイン戦の資金調達の手段として始まった。ところがこの度、連邦控訴裁判所が、長距離電話に課した分は連邦法違反であると判決を下した。連邦行政機関が連邦最高裁判所に上告することを諦め、控訴裁判所の判決に従うことにした結果、長距離電話の消費税は廃止となった。(ローカル通話に対しては引き続き課税されている。) また、2003年2月28日から2006年8月1日までに長距離電話を使用した納税者は、この間に払った長距離電話の消費税をリファンドするよう、IRSに申請することができる。申請は、2006年度の税金申告と共に行わなければならない。
申請方法など詳しいことについては、こちらをどうぞ。
