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25日にPBSで放映された"Buying the War"は、もうインターネット上で観ることができる。
こちらで、BUYING THE WARと書かれてある下側にあるWATCH VIDEOをクリックして、どうぞ。(90分)
対イラク戦争を始める為に、フセインが大量破壊兵器を持っているだの、テロリストと関わりがあるだのと偽りの情報を発信したブッシュ政権と、それをうのみにして報道した主流メディア。
なぜ主流メディアは、ブッシュ政権から提供された情報の裏に隠された事実を調査しようとしなかったのか。
引退していたジャーナリストの大御所、ビル・モイヤーズ氏がPBSに戻ってきて最初に作成した番組、”Buying the War"は、どのように主流メディアのリポーターやジャーナリストが、真実を追求して報道するという自分たちの任務を怠ったか、容赦なく暴露する(らしい)。
"Buying the War"のトレイラーはこちら:
"Buying the War"はほとんどの地域で明日25日に放映される予定。アメリカに住んでいらっしゃる方は、ローカルPBSで何時に放映されるか、こちらで確認して、是非ともご覧いただきたい。
タイム・ウォーナー社によって提案されたメディア刊行物の郵送料に関する改正案が、郵政委員会によって採択されようとしている。この案が採択されると、タイム・ウォーナーのように、大規模の刊行物を発行する発行者が得をし、小規模、もしくはインディペンデントな発行者にとっては不利な形で郵送料金システムが設定されることになる。
タイム・ウォーナーが発行するタイム誌のような大物政治情報誌よりも、インディペンデントな政治情報誌の方がよっぽど内容も濃く、社会に貢献している。新しい刊行物郵送料金システムは、そのインディペンデントな情報誌の存在を脅かしている。このようなことを許してはならん!と思われた方は、こちらで、郵政委員会の決断について公聴会を開いて調査するよう、連邦議会に求めることができる。
米軍に「敵の戦闘員」とみなされ、グァンタナモ湾収容所で抑留されているアデル・ハマド氏が釈放されることとなった。この釈放には、YouTubeのビデオが大きな役割を果たしたのではないか、と見られている。
ハマド氏はスーダン人で、パキスタンやアフガニスタンで病院の事務員や教師として働き、アフガニスタンの難民を助けるチャリティーを手伝っていた。そのチャリティーがアル・カイーダと関連があると見た米軍は、2002年、ハマド氏を拘束し、グァンタナモ湾に移送した。
軍事委員会の裁判において、ハマド氏は、「自分は無実だ。アル・カイーダとは何の関係もない。」と主張したが、軍事委員会は聞き入れず、同氏を「敵の戦闘員」とみなし、グァンタナモ湾収容所に拘留した。
それ以来、ハマド氏は同収容所に抑留されたままだ。
ハマド氏の弁護を担当した連邦公選弁護士のスティーブ・ワックス氏やウィリアム・ティースデイル氏らは、パキスタン及びアフガニスタンに飛んだ。そしてハマド氏の身辺調査を行った結果、同氏は収容所監禁に値するようなことは何一つ行っていないという結論に達した。ワックス氏らは、ハマド氏を知る人々に証人になってもらい、ビデオ・カメラの前でハマド氏について証言してもらった。そしてそのビデオをYouTubeに載せた。米政府が無実の人間をグァンタナモに抑留している事実を、米国民に知ってもらいたかったのだ。
このビデオは話題になり、ハマド氏の名前も世間に知れ渡るようになった。そんな矢先、国防省からワックス氏に連絡が入り、ハマド氏を釈放すると言ってきたのである。
ワックス氏は、ハマド氏の釈放がYouTubeビデオのお陰であるとは言い切れない、と述べている。しかし、このビデオが世論に影響を及ぼし、そして世論が国防省の決断に影響を及ぼしたことは、まず間違いないと見える。
これがそのビデオ:
「モーリー・アイヴィンス、駄目だったよ。」友人から一行のメールが届いた。
モーリー・アイヴィンスが、乳癌で逝ってしまった。1999年に最初に乳癌を患って以来3度目の再発で、先週から入院していたが、今回とうとう癌の方が勝ってしまった。
モーリー・アイヴィンスは、テキサス州出身の政治コラムニスト/ライターである。
独裁的なブッシュ政権下の暗黒時代、「この人がいなければ、私は気が狂っていただろう」と感謝せずにはいられない正義感の強いジャーナリストやライターは数人いたが、モーリー・アイヴィンスは、その中でも特別な存在だった。彼女は、しっかりとした強い語調で、ブッシュ大統領の政策を批判し続けた。そして、ブッシュ大統領や共和党の政策をこっそり容認するヒラリー・クリントンのような民主党議員、いわゆる「軽共和党議員」への鋭い糾弾も忘れなかった。同時に、そのウィットに富んだ文章からは、彼女の暖かな人間性と大きな愛がひしひしと感じられ、私は彼女に感動と安心感と希望と勇気を与えてもらっていた。
1年半ほど前、友人のお母さんが乳癌であることが発覚した。彼は前年にお父さんを亡くしたばかりだった。夫を亡くしたばかりのお母さんは、鬱状 態に陥っており、自分が乳癌であると知った時には、まだ初期段階であったにも関わらず、もう治療を受けようという気力も無かった。友人は、お母さんの住む ペンシルバニア州周辺で良い専門医を探し出し、彼女を引っ張っていった。仕事の合間を縫って、自分の住んでいるカリフォルニア州とペンシルバニア州の 間を毎月何度も往復し、お母さんを精神的に支え、彼女の癌細胞摘出手術と、その後のキモセラピーにも何度も付き添った。
1999年に乳癌になって乳房を切断してから、キモセラピーなどの治療を繰り返しつつ、著書を書き、コラムを書き続け、強く優しく生き続けてきたモーリー・アイヴィンスが、友人(と恐らく彼のお母さん)にとって特別なインスピレーションであったことは、言うまでも無い。
友人と私は、会えばアイヴィンスのコラムについてよく語り合ったものだった。
そのアイヴィンスが逝ってしまった。
「モーリー・アイヴィンス、駄目だったよ。」という一行のメールに、友人の悲しみが伺えた。一方私も相当打撃を受けてしまった。もう彼女のコラムを読めないのだと思うと、何だか方向感覚が無くなってうろうろしてしまいそうな感じで、途方に暮れてしまう。
ただ、アイヴィンスに対しては、感謝の気持ちで一杯だ。彼女の文章のお陰で、希望と正気を保つことができたのだから。
彼女の死は、アメリカ全体にとって大きな痛手である。アメリカは、彼女の主張を、声を、失ってしまったのである。
アイヴィンスは、3週間ほど前にこう書いている。
重要なことは、私達が何かしなければならないということ。この国は邪悪で不必要な戦争に引き裂かれている。私達はこれを止めなければならない。
そして彼女は誓った。
昔っぽいキャンペーンだが、私達がこの戦争を終わらせる方法を見つけ出すまで、私は自分のコラムで戦争について書き続ける。毎回、戦争を止める方法について検討する。
しかしアイヴィンスは、その後、1つのコラムを書いたっきりで、逝ってしまった。記者会見で「私が決定権を持っている」とブッシュ大統領が言いきった直後に書いたコラムで、彼女は次のように述べた。
国を動かすのは私達国民。決定権を持っているのは私達。だからこそ私達1人1人が、この戦争を終わらせる為に、毎日外に出て、何らかの行動を起こさねばならない。
「戦争とマスコミ」 (田中宇氏)
イ
スラエルが対レバノン攻撃を開始してからしばらくの間、アメリカの偏った報道に恐ろしささえ感じていた私は、ロンドンにいる友人にメールで、イスラエル攻
撃に関するイギリスのメディアの報道と世論の反応について尋ねた。友人が「イギリスのメディアはバランスのとれた報道をしているし、世論もレバノンの一般
市民にとても同情的だ。パブに行くと、客はみなこの話題について話しているが、ほとんどみなイスラエルを批判している。」と返事を送ってきた時、胸をなで
おろしたものだ。そうか、偏った報道をしているのはアメリカだけなのだな、と。
「こちらでは、政府や政治家達は、イスラエルのしているこ とを『正当な自衛行為』と呼んでいる。」と言うと、友人は、図らずも当たっていると思えることを言った。「イスラエルのしていることが桁外れの攻撃である ということは、米政府も政治家達も十分承知しているが、彼らの歪んだ対中東政策が、自らを、イスラエルを擁護しなければならない立場に追い込んでいるんだ ろう。もちろん強大なイスラエル系ロビーの影響や、国内のユダヤ系有権者の支持欲しさ、というのも要因だろうけれどもね。」
ジェフ・ギャノン氏は、オンラインのニュース・サイト、「タロン・ニュース」のリポーターだった。彼は、新聞やテレビニュースのリポーターと同様に、毎朝開かれるホワイトハウスの記者会見に自由に出入りできるよう報道者パスを与えられていた。
さて、事の始まりは1月末に開かれたブッシュ大統領の記者会見。ギャノン氏も大統領に向けて質問を行ったのだが、その内容は的を得ていない稚拙なものであり、しかもその口調は大統領にごまを擂り、民主党議員を虚仮にしたものだった。政治関連のブログを運営するブロガー達は、ギャノン氏に対して不信感を抱き、一斉に彼の身元調査を行った。結果、次のことが判明した。
ジェフ・ギャノンというのは実は偽名で、本名はジェイムズ・ガカートである。ガカート氏は、ジャーナリストとしての資格を何も持っておらず、過去にエスコート・サービス(ページ中部から下部にガカート氏のエスコートサービスの広告がある。注意!ヌード写真あり)をしていた人物である。
更 には、ガカート氏がリポーターをしていたタロン・ニュースの運営者は、GOPUSA.com という共和党のサイトを運営している人物であることも発覚した。ガカート氏がホワイトハウスの報道者パスを与えられたのは2年ほど前、タロン・ニュースが まだ存在しなかった時で、その頃彼は GOPUSA.com のメンバーであったことも分かった。ちなみに報道者パスは、大統領の身辺を警護するシークレット・サービスによる厳しい身元調査を潜り抜けたジャーナリス トのみに与えられる。ジャーナリストの資格も無く、しかも偽名を使っている人物がシークレット・サービスのチェックを潜り抜けられるなど到底不可能だ。と いうことは、次のことが考えられる。
ホワイトハウスが GOPUSA.com の運営者と共謀して、ガカート氏をジャーナリストとして仕立て上げ、報道者パスを与えた。そして彼にニュース・サイトを与える為に GOPUSA.com 運営者がタロン・ニュースを立ち上げた。
とすれば、ガカート氏がタロン・ニュースを通じて報道するニュースの内容が、ブッシュ大統領及び共和党の提案する政策の宣伝のようなものばかりだったのが納得できる。
ホ ワイトハウスやCIAなどは、プロパガンダの一環として、ジャーナリストやリポーターを買収し、政府のとる特定の政策を好意的に報道させたり記事にさせた りして、世論を操作することが知られている。メディア操作による世論操作だ。最近も、ラジオのパーソナリティで政治評論家のアームストロング・ウィリアムス氏の件が 発覚したばかりだ。ウィリアム氏は、自分の番組内でブッシュ大統領の発案した教育改革法を毎日賞賛したのだが、それは実はブッシュ政権から金を受け取って いたからなのであった。しかし、今回のガカート氏のように、ジャーナリストではなく、どこの馬の骨とも知れぬ者(と言ったらガカート氏に失礼かもしれない が)を使って報道させていたケースは恐らく初めてだろう。
さて、ブロガー達による正体暴露によって、ガカート氏は報道者バスを返還し、タロン・ニュースも一時閉鎖状態に追い込まれた。それにしても、一般市民のブロガー達が、政府のプロパガンダと対抗するようになったという事実が興味深い。ところで、ガカート氏も依然ジェフ・ギャノンのまま、自分のブログを始めたようだ。
