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前にも書いたことがあるが、オバマ次期大統領は、反ゲイ・レズビアン主義でカリフォルニア州法案8を推したリック・ウォーレン牧師に、大統領就任式の晴れの役目を与えた。この為オバマ氏は、リベラル派/プログレッシブ派/ゲイ・レズビアン/ゲイ・レズビアンの権利を擁護する人々から、強い批判を受けた。
この批判をやわらげる為、オバマ氏は、大統領就任式の2日前に行われる神への祈りを捧げる行事で指揮をとるようにと、エピスコパル教会のジーン・ロビンソン司教に依頼した。ロビンソン司教は、ゲイである。
(エピスコパル教会《英国聖教=チャーチ・オブ・イングランド》は、アフリカにある教会を除いては、一般的にとてもリベラル。私はエピスコパル教会の信者ではないが、以前住んでいた近所にエピスコパル教会があり、教会の主宰するコミュニティ・プログラムに時々参加していた。ダルフールの虐殺についてコミュニティを教育したり、カリフォルニア州法案8に強く反対したりしていた。)
ロビンソン司教を選択したことは、素晴らしい決断だといえる。
オバマ氏の大統領就任式で、祝辞を述べ、神への祈りを捧げる牧師として、リック・ウォーレン氏が選ばれた。ウォーレン牧師は保守派で、戦争に賛成したし、反ゲイ・レズビアンの立場をとっている。カリフォルニア州法案8を支持する広告ビデオまで作成している。
また、教育省長官には、アーニー・ダンカン氏が選ばれた。ダンカン氏は、シカゴの学校区長を務めていた時、ゲイ・レズビアンの生徒をストレートの生徒から隔離させたいとして、ゲイ・レズビアンの生徒のみを集めた学校の設立を提案したことがある。
オバマ氏は、右派・保守派を喜ばせようとしているのだろう。それに彼自身、残念ながら、「結婚は男女間のみに存在すべきもの。」とよく主張してきた。しかし、ここまでゲイ・レズビアンを傷付けるようなことをしなくてもいいだろうに? 右派・保守派はオバマ氏に投票しなかったが、ゲイ・レズビアンは圧倒的にオバマ氏に投票したのだ。自分を支持してくれたグループに蹴りを入れるとは、なんとまあ冷たいことか。
下のビデオでは、ギタリストのスラッシュ(元ガンズ・アンド・ローゼズ)が、奥様のパーラさんと一緒に、「カリフォルニア州法案8」に対する戦いを応援するメッセージを伝えている。
人種差別主義者で右翼っぽかったアクセル・ローズとはまるっきり違い、スラッシュはとてもプログレッシブな人で、社会的・政治的活動によく関わっている。対イラク戦争に反対する集会がサンタ・モニカで開かれた時も、スラッシュはいた。
ちなみに、パーラさんが言っている「Join the Impact」は、このサイト。「カリフォルニア州法案8」は、もうカリフォルニアだけの問題ではないのだ。明日、全国で「州法案8」に対するプロテストが予定されている。
「カリフォルニア州法案8」について、ロサンゼルス・タイムズ紙が面白いデータを掲載している。ロサンゼルス郡内の各市における、「州法案8」への賛成票と反対票の割合だ。これによると、本当に、アフリカ系アメリカ人の人口の多い市、アジア系移民の人口の多い市、そしてキリスト教保守派の多い市は、賛成票の方が断然多い。
今後の社会の課題は、アジア系移民とアフリカ系アメリカ人のコミュニティにおいて、どのようにゲイ・レズビアンに対する偏見を無くすか、だろう。(キリスト教保守派はどうしようもないが....。)
アジア系の多い市: 賛成票-反対票 (%)
アーケイディア: 61.6-38.34
エル・モンティ: 60.76-39.24
ガーディナ: 62.07-37.93
モンタレー・パーク: 57.78-42.22
トーランス: 54.02-45.98
アフリカ系アメリカ人の多い市: 賛成票-反対票 (%)
ボールドウィン・パーク: 63.39-36.31
カーソン: 65.26-34.64
イングルウッド: 61.19-38.81
保守派が多い市: 賛成票-反対票 (%)
コヴィナ: 61.33-38.67
ウェスト・コヴィナ: 61.73-38.27
ウィティアー: 57.61-42.39
その他の市: 賛成票-反対票 (%)
ロサンゼルス市: 42.49-57.51
パサディナ: 42.22-57.78
カルバー・シティ: 32.9-67.1
サンタ・モニカ: 22.36-77.64
マリブ: 30.57-69.43
レドンド・ビーチ: 39.69-60.31
また、こちらで、名前、市、郵便番号などのクライテリアで、「州法案8」賛成キャンペーンまたは反対キャンペーンに寄付した人々を検索することができる。例えば、ブラッド・ピットで検索してみると、次の結果が出てくる。
| $100,000 | BEVERLY HILLS | CA | 90212 | SELF-EMPLOYED | Oppose |
寄付金額、市、州、郵便番号、職業、州法案に対するポジション(Support 賛成 または Oppose 反対)の順。
通ってしまった「カリフォルニア州法案8」に対して、様々な方法による戦いが、既に始まっている。
1.法的闘争
ACLU(米国市民自由権連合)が、カリフォルニア州最高裁判所に、「州法案8」を無効にする執行令状発行の申し立てをした。無効にする理由としては、次のように議論されている:
州最高裁が、今年5月、結婚を男女間のみに限らせている州婚姻法を無効にしたのは、この婚姻法が、州憲法の「州民全てが平等な法の保護を受ける権利」を保障する条項に反していたからだ。
もし「州法案8」の定めてある通り、結婚を男女間に限らせるという条項を、州憲法に付加するとすれば、これも、州憲法の「州民全てが平等な法の保護を受ける権利」を保障する条項に矛盾することになる。ということは、この「州民全てが平等な保護を受ける権利」を保障する条項そのものを改正しないと、結婚を男女間に限らせる条項は成立しない。
現存する州憲法の条項の内容を変える為には、まず州議会がその法案を作り、可決してから、州民にその法案について投票させ、投票数の3分の2以上の賛成票を得なければならない、と定められている。
つまり、今回の選挙でのように、モルモン教やキリスト教保守派が提案した法案に、州民の投票数の52%の賛成票を得ただけでは、州憲法において、結婚を男女間に限らせる条項は成立しない、ということである。
2.宗教団体としての税金免除の特権をモルモン教会からとり上げる運動
「カリフォルニア州法案8」を提案し、この法案を通すためのキャンペーンに膨大な金額を費やしたモルモン教会は、(税金免除の特権を受ける)宗教団体のステータスから外されるべきである、として、これを歳入庁に要求する署名活動が行われている。
3.次回の選挙(2010年)で、「州法案8」を廃棄させる運動
もし万が一、本当に結婚を男女間に限らせる条項が州憲法に付加されてしまった場合、2010年の選挙でこれを廃棄させるために、草の根運動が既に始まっている。
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昨日、うちの近所でも「州法案8」に対するプロテストが行われた。これは、他の地域で行われたプロテストでは見られないほどの、テンションの高いものだった。プロテストが始まってからしばらくの間、警察がプロテスターたちをブロックしてしまったからだ。でもそのうちやっと、みんながプロテストできるように交通整備してくれた警察に、プロテスターたちは、「ありがとう!」と口々に叫んでいた。
「カリフォルニア州法案8」が通って以来、サンフランシスコでは毎日プロテストが行われている。これは昨日のプロテスト。
サンフランシスコでの「カリフォルニア州法案8」に対するプロテストの写真とビデオは、こちらで見ることができる。
通ってしまった「カリフォルニア州法案8」に対する大規模なプロテストが、昨日と今日、サンフランシスコとロサンゼルスで行われた。
下の2つは、ロサンゼルスでのプロテスト。サンフランシスコのプロテストのビデオも、見つかり次第のっけるつもりだ。
「カリフォルニア州法案8」が通ってしまった。結婚する権利を、特定の州民からとり上げるよう、州憲法を改正するなんて、信じられないことだ。
モルモン教徒やキリスト教保守派は、カリフォルニアでは少数派。ではなぜ、「州法案8」は過半数を超える票を集めたのか?
APによると、65歳以上の州有権者は、圧倒的に「州法案8」に賛成票を投じたという。
また、オバマ議員を支持するために、アフリカ系アメリカ人のコミュニティは、過去に無いほどの参加率で投票した。これらのアフリカ系アメリカ人は、圧倒的に「州法案8」に賛成票を投じたそうだ。
「州法案8」は、伝統主義がまだ根強い1世代目・2世代目のアジア系アメリカ人からも、支持を集めた。ラジオのインタビューで、2世代目の中国系アメリカ人の女性が、「私達アジア人にとって、結婚とは、男女間の結び付き。私達は、この結婚の伝統を守らなければなりません。」と言っているのを聞いた。
カリフォルニアは、公平な社会にするために、いつも前進し続けている州である。他州と比べてカリフォルニアに移民が多いのも、カリフォルニアのその寛容で公平で先進主義なポリシーのお陰だ。(アラバマ州なんかに少しの間住んでみたら、その違いがよく分かるだろう。) ところが、カリフォルニアがカリフォルニアらしく、前進し続けようとしている時に、その先進主義の恩恵を受けている移民が、「自分達の伝統を守りたい」という理由を掲げて、その前進を阻止しようとするとは、なんとも皮肉なものだ、と思わざるをえない。
グーグル(Google) が、「カリフォルニア州法案8」に反対する集会を開き、サンフランシスコのギャビン・ニューサム市長をゲスト・スピーカーとして招いた。ニューサム市長率いるサンフランシスコは、結婚を男女間に限らせている州婚姻法を無効にすべく、訴訟を起こし、今年見事に勝訴を勝ち取った原告である。(そして、この判決に怒ったキリスト教保守派とモルモン教が、「州法案8」を提案したわけだ。)