3 posts tagged “死刑制度”
コロラド州最高裁判所が、殺人犯の死刑判決を覆した。この死刑判決は、陪審員達が聖書に頼った結果出した結論であることが発覚したからだ。
数年前、殺人を犯した男性が裁判に掛けられた時、この男性に死刑を与えるべきかどうかを審議中だった陪審員達は、聖書に決断の導きを求めた。そして、聖書の「目には目を。歯には歯を。」という一節を読んだ後、陪審員達は死刑判決を下した。
裁判中に提示された証拠及び法律以外のものを考慮に入れて決断を下さないよう厳しく指示されていたのにも関わらず、だ。
州最高裁は、陪審員達のとった行動が不適切として、彼らの下した死刑判決を無効にしたのであった。
State Justices Overturn Killer's Death Sentence
Rocky Mountain News, Mar. 29, 2005
司法の世界を舞台に小説を書くジョン・グリシャム氏。 ザ・ファーム("The Firm" トム・クルーズ主演)、依頼人 ("The Client" スーザン・サランドン主演)、レインメーカー("The Rainmaker" マット・デイモン主演)、ニューオリンズ・トライアル("Runaway Jury" ジョン・キューザック主演)など、彼の小説を原作にした映画は多い。
そんなグリシャム氏が、初めてノンフィクションを書いているらしい。冤罪で死刑判決を受けたオクラホマの男性、ロナルド・ウィリアムソンさんの話だ。
ウィリアムソンさんは、1986年に女性をレイプし殺害した疑いで拘束された。無罪を主張したが、1988年に罪が確定、死刑を言い渡された。ウィリアムソンさんの弁護士は、何度もオクラホマ州裁判所にDNA鑑定を要請したが、却下された。
こ の弁護士の訴えを聞き入れた連邦地域裁判所が、DNA鑑定を命じた。鑑定の結果、真犯人が別に存在し、ウィリアムソンさんは無実であることが確証された。 なんと死刑執行日の5日前のことである。ウィリアムソンさんは刑務所から解放されたが、禁固されてから既に13年の月日が経過していた。
ちなみに、DNA鑑定の結果分かった真犯人とは、ウィリアムソンさんが犯行を犯しているのを見た、と証言した男だった。オクラホマ州検察側は、この男を最も信頼できる目撃者であるとみなしていた。
ウィリアムソンさんは昨年病気の為に亡くなった。51歳だった。
Grisham Writing a Non-Fiction Work
Associated Press, Mar. 10, 2005
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ヨー ロッパ諸国は、アメリカが未だに死刑を行っていることにとまどいを感じている。ヨーロッパでは、死刑は根本的人権尊重の理に反する野蛮な行為とみなされて いるからだ。だからEUの加盟条件にも、死刑制度を施行していないことが織り込まれている。EU加入を希望しているトルコは2年ほど前に死刑を廃止した。 EUは、アメリカへも死刑制度廃止を呼び掛けている。
アメリカが死刑を廃止するのは恐らくまだまだ先の話になるだろうが、この度18歳未満の犯罪者に対する死刑は止めることになった。
ア メリカでは、20州ほどで今も18歳未満の者に対する死刑が許可されている。子供を処刑しているのは、世界中で実にアメリカだけなのである。 (注:15 歳以下の児童の死刑はアメリカでも禁止されている。) 3日前、連邦最高裁は、18歳未満の者に対する死刑は、合衆国憲法改正条項第8条で禁止されている 「残酷で普通ではない刑罰」に相当するとして、「違憲である」と判決を下した。多数決の内訳としては、9人の裁判官のうち、5人が「違憲」で4人が「合 憲」という意見だった。
多数派を代表して判決を述べたケネディ裁判官は、 何が「残酷で普通ではない刑罰」とみなされるかという決断を下すにあたり、国際社会における法的傾向を考慮に入れたことを明らかにした。同裁判官は、子供 の処刑を禁止している国際社会において、アメリカが一人だけ孤立していることを強調。EU及びヨーロッパのノーベル平和賞受賞者から連邦最高裁に提出され た、子供の死刑に関する意見書を重視したと思われる。
これに対し、少数派を代表するスカリア裁判官は、アメリカ国内の法律が合憲かどうかを決めるのに、外国の法律に触れる必要性はない、と反撃。保守的なスカリア裁判官は、外国の法律的傾向及び道徳的傾向が連邦最高裁裁判官の下す判決に影響を及ぼすことを、殊の外嫌っていることで知られる。少数派の一人、オコナー裁判官は、 18歳未満の者に対する死刑が「残酷で普通ではない刑罰」というのには賛成できないものの、国際社会の法的傾向を考慮に入れて判決を出すことについては、 問題なし、との見解を示した。そんなオコナー裁判官にスカリア裁判官は言い放った。「我が国独自の原理を追及するのか、外国にただ追従していくのか、どち らかにしろ。」
連邦最高裁は、2年ほど前にも精神病を持つ者への死刑は違憲であると判決を下している。今回の判決と合わせて考えると、ア メリカにおける死刑の適用範囲が徐々に狭まれていっているようだ。時間はかかるだろうが、そのうち死刑自体も廃止されることになるだろう。それまでは、ア メリカに死刑制度廃止を促すヨーロッパ諸国と、外国の影響を押し止めようとするスカリア裁判官の戦いは続きそうだ。
Supreme Court Abolishes Juvenile Death Penalty
Reuters, Mar. 1, 2005
私は彼の作品を読んだこと無いんです(恥)が、彼の作品を元にした映画は大好きです。「法律事務所」も「評決の時」も、私は映画しか観てませんが、映画も原作も、とても優れた作品だったと評判ですよね。
また新たに読まれたら、ご感想お聞かせ下さい。 私も是非読んでみたいと思っています。