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今週の月曜日と火曜日にPBSにて放映された「Bush's War」は、対イラク戦争を巡るブッシュ政権の内部闘争についてのドキュメンタリーだ。
2001年の9-11テロ事件直後、チェイニー副大統領やラムズフェルド国防長官(当時)を筆頭とするネオコン派は、表面上ではオサマ・ビン・ラーディンとアル・カイーダに対する攻撃に焦点を当てているようで、実は裏では、同事件を利用してイラクを攻撃できないものか、と、対イラク作戦を可能にする為の作戦を既に練り始めていた。しかし、テロ事件とは何の関係もないイラクへの攻撃に反対する者もブッシュ政権内にいた。「Bush's War」は、このように対イラク戦争に反対する者の打倒から始まって、それ以降も同戦争に関して自分達の思惑通りに動けるように、ネオコン派が邪魔者や障害物を次々と排除していく様を、詳しくリポートしている。(という噂だ。私もまだ見ていない。)
このドキュメンタリーを見逃した方、またはアメリカの外側に住んでいらっしゃる方は、PBSのウェブサイト上("Watch the Full Series Online")で観ることができる。Part OneとPart Twoに分かれていて、Part Oneは15のチャプターから、Part Twoは11のチャプターから成っている。
大変興味深いドキュメンタリーらしい。どうぞご覧ください。
1980年代に共和党のレーガン大統領がアメリカに浸透させて以来、ずっとアメリカの政治と経済の基盤となってきた保守主義。この保守主義の理念に従い、アメリカは、「小さい政府」のスローガンを掲げ、政府機関の民営化、社会保障システムの縮小化、そして企業に対する規制緩和、規制取り払いをどんどん進行させてきた。
(余談だが、私は「privatization」を「民営化」と訳すことに非常に抵抗がある。「民営化」という言葉には、いかにも民衆が経営の実権を握っているような、ポジティブな感じを受けるからだ。アメリカにおける政府機関のprivatizationは、政府高官たちと深くつながりのある一握りの大企業が、民衆の思惑とは全く関係ない所で、企業利益のみを追求して経営するので、「民営化」よりは、「私営化」の方が、しっくりいく感じがする。でも、「政府機関の私営化」というのは日本語としてはなんだか変なので、「民営化」を使っている。)
この保守主義は、民主党のクリントン大統領下でもとどまることなく進んできた。いくら行政府は民主党が実権を握っていても、立法府(連邦議会)は上・下院共に共和党が主権を握っていたからだ。それに、実はクリントン大統領自身、民主党をもっと保守化させようと頑張った張本人でもある。連邦準備制度理事会の前理事長のアラン・グリーンスパン氏は、「クリントン大統領は、素晴らしい共和党大統領だ」と言ったくらいだ。
ところが今、アメリカの国民の間で、保守主義がついに衰退の兆候を見せている。3月12日に発表されたグリーンバーグ・リサーチによる「保守主義の退廃」と題された調査結果によると、大多数の国民が、レーガン政権以降初めて、国民の福祉を守ることが政府の役割であり、政府機関が行っていた業務を企業に任せることは国民のためにならず、企業に対する規制は消費者や従業員/労働者の福祉を守るために必要不可欠であると認識し始めたようである。そしてついに、国民の大半が、政府のプログラムとして国民健康保険システムの導入を望んでいる。
この国民の間における保守主義の衰退は、彼らが、今アメリカに存在する数多くの問題は、保守主義が生み出した弊害であるということに気付き始めたということを示している。山積みされた弊害のほんの一例としては、電力を故意に出し惜しみし、電気代を吊り上げ、消費者を苦しめたエンロン社(電力に関する規制取り払いが原因)、2005年にルイジアナ州を襲ったハリケーン・カトリーナ(ハリバートン社やブラックウォーター社、そして軍需企業に国民の税金を使い込む政府は、自然災害に備えて国の防災設備を整える資金も意思もなかった)、そして最近ではサブ・プライム・ローンから生じた経済破綻(金融機関に対する不十分な規制が元々の原因)がある。
もちろん、例え国民が保守主義の弊害に気付き始めたといっても、共和党であれ、民主党であれ、大企業と深いつながりにある政治家達が保守主義を捨てることはまずまだないだろう。例えば、いくら国民が国民健康保険システムを望んでいても、それを公約する者など、3人いる大統領選立候補者の中には誰もいない。保険業界から多額の献金を受け取っている民主党の候補者ヒラリー・クリントン連邦上院議員は、公約として医療システム改善プランを掲げているが、それは保険会社の保険を国民に買わせるプランであり、「絶対に政府は保険提供に介入しない」とまで言い切っている。保険業界に対する規制なしで保険を強制的に買わせられる国民は、たまったものではない。保険会社が、保険料を上げ放題上げ、支払い対象とする治療の範囲を狭めるだけ狭めるであろうことは、目に見えているからだ。同じく民主党候補者のバラク・オバマ連邦上院議員は、この点を指してクリントン議員のプランを非難しているが、彼自身も、政府による国民健康保険を実現したい、とまでは言ったことがない。共和党の候補者ジョン・マッケイン連邦上院議員などは、医療保険問題は丸無視している。
つまり、政界における保守主義は当分の間生き残るだろう。というより、大企業が政治家に対して力を持っている限り、消え去ることはないだろう。しかし、国民が今保守主義から目覚め始めているということは、今後政府に対して社会保障を充実させ、企業に対し規制を課し、国民の福祉・安全を守るよう求める声が、日増しに高くなっていく、ということだ。
希望が持てそうだ。
以下は、「保守主義の退廃」リポート結果から抜粋:
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下の意見に賛成の場合はYES、反対の場合は、NO:
自身の面倒をみれない国民の面倒をみるのは、政府の役割である。
YES 69% NO 28%
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下の意見に賛成の場合はYES、反対の場合は、NO:
企業は、自身の利益と国民の安全(または権利、福祉)のバランスがとれるように経営している。
YES 38% NO 58%
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どちらの意見に賛成?
A 政府による規制は、消費者の安全及び環境を保護する。
B 政府は、国民が購入する銃や車について、または他のことについても、規制を課すべきではない。
A 50% B 46%
(AがBを上回ったのは、2003年に同質問の答えに関して統計が取られ始めてから、これが初めてである。)
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どちらの意見に賛成?
A カナダのように、政府による国民医療保険システムを導入すべきだ。
B 医療システムは、政府の介入なしで、少しずつ改善することができる。
A 52% B 44%
ブラックウォーター社については前に書いたことがあるが、その傭兵たちが、イラクにて善良な市民の犠牲者を大量に出している(本人たちによれば正当防衛らしいが)為に、ただ今渦中にある。そのブラックウォーター社をかばい続ける国務省。イラクの副大統領のボディーガードを、つい酔っ払って殺してしまったブラックウォーター傭兵を、ブラックウォータ-社と共謀してイラクからこっそり逃がしてやるなど、まるで殺人事件隠蔽・証拠隠滅の共犯者のようなことをやっていることが判明して、国務省のイメージがすこぶる悪くなっている。
そのイメージ転換を図りたかったのか、国務省がブログを始めた。早速市民からのコメントが沢山寄せられたが、大半がこのブログまたは国務省に対する辛らつな批判、皮肉ばかりだ。国務省の投稿を読むより、コメント欄を読む方が面白い。コメントがいくつか抜粋されたものがこちらにあるので、是非読んで楽しんでいただきたい。(英語の分かる方にしか分かっていただけないのが大変残念だ。)
どうも国務省は、イギリスの外相に就任したばかりのデイビッド・ミリバンド氏のブログにヒントを得て、ブログを始めたらしい。しかしミリバンド外相のブログは、国務省のと違って、市民との真剣な対話に成功している。ミリバンド氏が外交に関する自分の意見やビジョンを明確に述べ、それに対しイギリスの市民も率直に意見をコメント欄に書いている。一方、国務省のブログは、市民に圧倒的に馬鹿にされてしまっている、というのが、なんとも悲しい。
6月26日、「法と正義を取り戻すために行動を起こす日 (Day of Action to Restore Law and Justice)」という大きなイベントがワシントンDCで開かれる。これは、米国市民自由権連合などの弁護士による市民自由権擁護グループやアムネスティ・インターナショナルなどの人権擁護グループ、平和活動グループなど、数多くのグループが合同主催するもの。
合衆国憲法で保障されている人身保護請求権(政府に身柄を拘束された時に、その拘束の正当性を審理するよう連邦裁判所に求める権利)や法の平等な手続きを受ける権利は、ブッシュ政権のいわゆる「テロに対する戦争」によって壊されている。このイベントは、それらの権利を復活させよ、と連邦政府に求めるものである。また、政府による拷問や虐待を終えるよう訴え、昨年末に法律となった軍事委員会法、いわゆる「拷問法」の改正も求めることになっている。
実はつい数日前、連邦司法機関が、いわゆる「テロに対する戦争」における連邦行政機関(ブッシュ政権)の権限逸脱を叱責した。
連邦控訴裁判所(第4巡回裁判所)が、「敵の戦闘員」として軍収容所に囚われの身であるアリ・サレ・カラー・アルマリ氏の人身保護の申し立てを受け入れ、ブッシュ政権には起訴しないまま同氏を軍収容所に抑留する権限はない、として、同氏を軍収容所から出し、ちゃんと刑法にのっとって彼を裁くようブッシュ政権に命令したのである。
ブッシュ政権側は、軍事委員会法は、「連 邦裁判所は、米国市民ではない敵の戦闘員の人身保護の申し立てを、審理してはならない。」と、定めているから、連邦控訴裁はアルマリ氏の人身保護の申し立てを却下せよ、と主張していた。これに対して同連邦控訴裁は、米国内で拘束、抑留されている者から、合衆国憲法で保障されている人身保護請求権を奪うことはできない、として、「当裁判所はアルマリ氏の人身保護の申し立てを審理する権限がある」と断言した。
数ある連邦控訴裁の中で最も保守的であると知られる(だからブッシュ政権に最も好意的であると思われている)第4巡回裁判所が、このような判決を下したのである。これは、「法の精神」がアメリカに戻りつつあることを示唆している。
3月から4月に掛けて、義父の他界、体調不良、足骨の脱臼などで、友人と会ったり、イベントや社交の為に外出するということがほとんど無かった。
「もうそろそろ外に出るが良い。」と先日友人に引っ張られていったのが、ジャーナリストのジェレミー・スケイヒル氏の講演だった。友人はもともと1人でスケイヒル氏の講演に行くつもりだったのだが、講演が行われる場所から5分ほどの所にたまたま私が住んでいるので、ついでに私を拾いに来たのだった。とはいえ、私もスケイヒル氏の講演には興味を持っていたし、まだ足の脱臼は治っておらず、運転は元より満足に歩くことも出来ないので、友人が来てくれて助かった。
私だけではない。大勢のサンディエゴの住民が、スケイヒル氏の講演を待ちわびていた。彼は、ブラックウォーターUSAについて話すことになっていたからだ。ブラックウォーターUSAとは何か、といえば:
対イラク戦争は、歴史上最も「民営化された戦争」だ。つまり、以前は米軍がやっていた仕事を、今は連邦政府に委託された企業がやっている。例えば、戦地に兵舎を建てたり、兵士達に食事を供給したり、郵便物を届けたり、といったことは、本来米軍自身がやっていたことだが、今はハリバートン社の子会社であるKBRがやっている。
戦争における民営化は、ロジスティック面だけに止まらない。戦闘自体も民営化されているのだ。ここでブラックウォーターUSAのお出ましというわけだ。ブラック ウォーターUSAは、いわば傭兵派遣会社である。連邦政府からの発注により、兵器を始めとする戦術トレーニングを受けたタフな人材を、傭兵として対イラ ク戦争に送る会社なのだ。つまり彼らは、連邦政府ご用達の殺し屋たちだ。
ところで、こうした対イラク戦争の民営化は、同戦争が高くついている理由でもある。企業はこれでもかというくらい膨大な金額の請求書を連邦政府に送りつけるから、納税者に莫大な負担が掛かっている。つまり企業は、対イラク戦争という商品に至上最高の値を付けて売っているのである。これらの企業の経営者はみなブッシュ政権と密接な関わりがある人物だ。つまり、戦争民営化は、ブッシュ政権のお友達をがっぽり儲けさせるために起こっているようなものである。
さて、ブラックウォーターUSAは、現在ノースカロライナ州に傭兵トレーニング・センターを設けているが、この度カリフォルニア州サンディエ ゴ郡南東部の街、ポトレロにもトレーニング・センターを建設したいと公表した。これに多くのサンディエゴ住民が反対している。理由は、環境への悪影響や騒音の懸念、戦争利益を経営方針にしているブラックウォーターへの嫌悪感、また、殺し屋トレーニングセンターなど近くにあってほしくない、といったもの。彼らがジェレミー・スケイヒル氏の講演に集まったのは、スケイヒル氏が、ブラックウォー ターについて調査し、他の誰よりもこの会社についてよく知っているからだった。住民は、スケイヒル氏からブラックウォーターの情報を得、ブラックウォーターがサンディエゴ郡にやってくることを阻止する決意をお互いに確認しあった。
以下は、ジェレミー・スケイヒル氏から学んだ情報:
- ブラックウォーターは、共和党の有力政治家たちと繋がりの濃い元米軍高官や元CIA高官によって経営されている。その人脈を使って、連邦政府からの発注をものにしている。
- 現在2000人あまりのブラックウォーター傭兵がイラクにいる。
- イラクに派遣されたブラックウォーター傭兵1人当たりの「月給」は、約3万ドル(300万円以上)で、米軍兵士の「年給」額に相当する。もちろん傭兵の給料を払っているのは、アメリカの納税者だ。
- ブラックウォーターの恐ろしい所は、法の外側で活動しているということである。ブラックウォーター傭兵は、軍人ではないので、軍法や軍の規則やジュネーブ国際条約には縛られない(と本人たちは主張しているし、みんなそう思っているようだ。)一方、連邦政府から委託されて戦地で仕事している企業は、その仕事に携わっている間にとったいかなる行動についても、イラク当局から起訴されない、と保証されている。つまり、ブラックウォーター傭兵たちは、善良なイラク市民をお遊びで殺害しようが、虐待しようが、自由なのである。実際、アブ・グレイブ収容所でのイラク人捕虜の拷問・虐待にも、ブラックウォーター傭兵が関わっていたと見られている。もちろん米軍にも、イラク市民を虐待/レイプ/無差別殺害した兵士は沢山いると見られるし、米軍はその事実を隠し、兵士も罰せられないままということはよくあるだろう。しかし、国際社会や国内の人権擁護団体、またはジャーナリストたちがそういった情報を得て騒ぎ立て始めると、一応罪を犯した兵士は軍法会議に掛けられ、処罰される。しかし、ブラックウォーター傭兵は、そのような心配もなく、イラクでやりたい放題やれる。彼らがイラクのどこで何をやっているか、誰も監視していない。彼らは野放し状態なのである。
- 最近、民主党が主権を握る連邦議会が、「ブッシュ大統領の望むように対イラク戦争に引き続き金を出してやるが、その条件として2008年3月までに軍をイラクから撤退させるように」と定めた法案を可決した。民主党議員たちは、この法案を「平和のための法案」として国民に宣伝していた。ところが、ブッシュ大統領が「軍撤退条件」に反対して拒否権を行使し、法案に署名しなかったので、法律にならなかった。しかし、例え法律になっていたとしても、これは「平和のための法案」でもなんでもない。まず、「ブッシュ大統領の望み通り引き続き金を出してやる」ということは、「ブラックウォーターやKBRを含めたブッシュ政権ごひいきの企業の欲を、納税者を犠牲にして引き続き満足させてやる」ということである。また、「2008年3月までに軍をイラクから撤退」させても、ブラックウォーターなどから派遣された傭兵はイラクに残ることが許され、戦争をそのまま続けることができる法案となっていた。(もしそのようなことになれば、「完全民営戦争」だ。)
- ただ、ブラックウォーター傭兵はブラックウォーター社の契約社員であるから、傭兵やその家族が、契約違反または契約不履行で会社を訴えることが今後多々あるだろうと予想される。現に、ファルージャで殺された4人のブラックウォーター傭兵の遺族は、ブラックウォーター社を訴えた。
果たしてサンディエゴ郡住民は、ブラックウォーターのトレーニングセンター建設プランを阻止できるだろうか?
ブラックウォーターUSAについては、まずこのビデオをご参照のこと。英語が分からない方も、どんなものかなんとなく分かっていただけると思う。これはドキュメンタリー映画"Iraq for Sale"から抜粋されたもの。
そして、ジェレミー・スケイヒル氏がブラックウォーターUSAについて書いた記事: ロサンゼルス・タイムズ紙
スケイヒル氏のインタビュー: NPR
ブラックウォーターUSAがサンディエゴ郡にトレーニング・センターを建設するプラン、及び住民の反対について: サンディエゴ・ユニオン・トリビューン紙
ブラックウォーターUSAのプランに反対する社説: サンディエゴ・ユニオン・トリビューン紙
住民のプロテストの模様を報じたサンディエゴのニュース番組のビデオ: KUSI
米軍に「敵の戦闘員」とみなされ、グァンタナモ湾収容所で抑留されているアデル・ハマド氏が釈放されることとなった。この釈放には、YouTubeのビデオが大きな役割を果たしたのではないか、と見られている。
ハマド氏はスーダン人で、パキスタンやアフガニスタンで病院の事務員や教師として働き、アフガニスタンの難民を助けるチャリティーを手伝っていた。そのチャリティーがアル・カイーダと関連があると見た米軍は、2002年、ハマド氏を拘束し、グァンタナモ湾に移送した。
軍事委員会の裁判において、ハマド氏は、「自分は無実だ。アル・カイーダとは何の関係もない。」と主張したが、軍事委員会は聞き入れず、同氏を「敵の戦闘員」とみなし、グァンタナモ湾収容所に拘留した。
それ以来、ハマド氏は同収容所に抑留されたままだ。
ハマド氏の弁護を担当した連邦公選弁護士のスティーブ・ワックス氏やウィリアム・ティースデイル氏らは、パキスタン及びアフガニスタンに飛んだ。そしてハマド氏の身辺調査を行った結果、同氏は収容所監禁に値するようなことは何一つ行っていないという結論に達した。ワックス氏らは、ハマド氏を知る人々に証人になってもらい、ビデオ・カメラの前でハマド氏について証言してもらった。そしてそのビデオをYouTubeに載せた。米政府が無実の人間をグァンタナモに抑留している事実を、米国民に知ってもらいたかったのだ。
このビデオは話題になり、ハマド氏の名前も世間に知れ渡るようになった。そんな矢先、国防省からワックス氏に連絡が入り、ハマド氏を釈放すると言ってきたのである。
ワックス氏は、ハマド氏の釈放がYouTubeビデオのお陰であるとは言い切れない、と述べている。しかし、このビデオが世論に影響を及ぼし、そして世論が国防省の決断に影響を及ぼしたことは、まず間違いないと見える。
これがそのビデオ:
CIAスパイ正体漏洩事件に関連して、起訴されていたルイス・リビー氏(事件の概要及びルイス・リビー氏についてはこちらとこちらをご参照のこと)が、公務執行妨害及び虚偽陳述で有罪判決を受けた。リビー氏は、判決を不服として上告するつもりである。
これについてはもう少し書きたいことがあるので、後日時間のある時にまたこのトピックに戻ってきたい。
調査ジャーナリストのシーモア・ハーシュ氏が、ニューヨーカー誌上にて報道したところによると、ブッシュ政権は、裏で、イランに対する秘密工作を既に進めている。(率先しているのは、いつものことながらチェイニー副大統領。)シーア派のイランに対立するスンニ派のテロリスト組織に、サウジアラビア王家を通じて資金を渡し、イランに対して立ち上がるよう扇動しているそうだ。
ちなみにアル・カイーダはスンニ派のテロリスト組織であり、スンニ派のテロ組織は大抵アル・カイーダと密接な関係を保っている。
9-11テロ事件から6年後、アル・カイーダの仲間達と協力関係を結んだブッシュ政権。連邦法では、テロ組織に資金を与える行為自体がテロとみなされ、重罪であるのに、ブッシュ政権がやる分にはいいわけだ。ちなみに、スンニ派のテロ組織はみなアメリカを敵とみなしているのだが、彼らに資金を渡して組織を成長・拡大させることは、果たしてアメリカにとってよいプランなのだろうか?サウジアラビア王家は、「責任持って彼ら(テロ組織)をコントロールする」と言っているらしいが。どうやってテロ組織をコントロールできるのか不明だ。
このブッシュ政権の秘密工作は、中東情勢をより混乱させるだろう、と見られている。
それにしてもブッシュ政権の恐ろしくもわけの分からない外交政策、なんとかならないものだろうか???
今日2月19日は、第二次世界大戦中に強制収容されたジャパニーズ・アメリカンの追憶日である。1942年2月19日、ルーズベルト大統領が大統領令を発令し、西海岸に住む約120,000人のジャパニーズ・アメリカンが、砂漠の真ん中の収容所に送り込まれた。
政府が西海岸のジャパニーズ・アメリカンを強制収容した表面上の理由は、こうであった: 日本人を親や祖父母に持つ彼らは、日本軍に協力し、米軍の脅威となる危険性がある。つまり、彼らの強制収容は、対日戦に勝つ為に軍事的に必要不可欠な手段である、というのだ。しかし今では、その理由付けは偽りであることが分かっている。
1年半ほど前、ワシントンDCにある政府書類保管機関、ナショナル・アーカイブにて、カナダの歴史学者グレッグ・ロビンソン氏がとある書類を発見した。それは、ジャパニーズ・アメリカンの強制収容を大統領に薦めたジョン・マックロイ軍次官補が、ロバート・パターソン軍次官に宛てて書いた1942年7月23日付けのメモであった。それには、次のように書かれてある。
彼ら(西海岸のジャパニーズ・アメリカン)を、(軍事的に危険な行動を犯すかもしれないと)疑っているわけではありません。彼らを収容したのは、我々が、カリフォルニアの白人を、コントロールできないと悟ったからです。
カリフォルニアの白人をコントロールできない、とはどういうことか、というと: 当時アメリカでは、ジャパニーズ・アメリカンは他のマイノリティ同様、白人から人種偏見の目で見られていた。ただ西海岸では、ジャパニーズ・アメリカンのコミュニティがより経済的成功を収め始めていた為に、白人コミュニティは、人種偏見に嫉妬が混ざった、一層強い憎悪感を彼らに抱いていたのである。そして日本との開戦が、ジャパニーズ・アメリカンに対する白人コミュニティのヒステリアを爆発させた。
西海岸の白人コミュニティにプレッシャーを受け、政府はジャパニーズ・アメリカンを西海岸から追い出したのだった。西海岸の白人コミュニティのご機嫌をとる為、といっても過言ではない。
だから、東海岸やハワイに住むジャパニーズ・アメリカンは強制収容されなかった。
ノース・カロライナ大学で合衆国憲法を教えるエリック・ミュラー教授は、このような書類をナショナル・アーカイブで発見している。これは、1943年2月4日に、前述マックロイ軍次官補に仕える高官と、陸軍憲兵司令官のアシスタントとの間で交わされた、電話上の会話の記録簿である。就職や軍隊加入の為にジャパニーズ・アメリカンが収容所から出ることを許可する、と発表したとたん、政府が抗議の嵐を受けたことについて:
この抗議の裏を知っているだろう。西海岸からだ、もちろん。
ああ、そうだな。
抗議の背景には色々あるが、大部分は経済的なものだ。西海岸は、ジャパニーズ・アメリカンを追い出す方法を見つけ、彼らを追い出した。もう彼らを戻らせたくない。彼らの土地や所有物を取り上げたいのさ。「愛国者」のすることではないね、どう考えても。
その通りだ。
もちろん、彼ら(西海岸の白人)は、「国家安全保障」と「愛国心」の名目で抗議しているがね。
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ジャパニーズ・アメリカンの強制収容に関する興味深いサイトや資料を紹介しておこう。
*自分達の市民自由権を凌辱した政府に対し、強い行動に出た勇気のあるジャパニーズ・アメリカンについて。
(a) 政府を相手に法的闘いを挑んだ方々のバイオグラフィー
フレッド・コレマツ (コレマツ氏については、逝去された時にちらっと書いたことがある。)
ミツエ・エンドウ
ゴードン・ヒラバヤシ
(b) 米国市民権を放棄した若いカップルを描いた映画
From a Silk Cocoon
(c) 徴兵を拒んだ若者達を描いた映画
Conscience and the Constitution
*写真家アンセル・アダムス氏が撮った収容所の写真のコレクション
Born Free and Equal (Ansel Adams), Library of Congress
(右上の”NEXT IMAGE”をクリックすると、次のページに行ける。)
*収容所で育った子供達のドキュメンタリー
Children of the Camps
*資料サイト
Densho
パワーポイントを、プレゼンテーションの補助として使う代わりに、プレゼンテーションの主体(つまりパワーポイント=プレゼンテーション)として使ってしまうと、そのプレゼンテーションは極端に単純化し幼稚化してしまうものだ。一枚一枚のスライドに収まる短い言葉の羅列と表グラフで説明できることには、限りがあるからだ。
では、パワーポイントを使った戦争の戦略構想など、想像できるであろうか?
2002年8月に米軍中央司令部によって作成された、対イラク戦争の戦略パワーポイントがここにある。機密扱いが解けた政府の書類を収集するナショナル・セキュリティ・アーカイブが、入手したもの。
このパワーポイントで明白なことは、戦争というコンセプトが恐ろしいほど単純化されていることだ。占領 -> フセイン政権打倒 -> 万々歳、と、着々と事が運ぶものと前提されている。ビデオ・ゲームでもこんなに簡単にいくまい。
フセイン政権を攻撃し終わった後は、「UNKNOWN(未定)」と記されていることからも分かるように、何の計画もないことが伺える。それでも、「2006年度の現地の米兵の数は、5千人」と予想しており、何を根拠にこの数字を弾き出したのかよく分からない。
戦争というものは、大勢の「人間」を巻き込むものである。ところが、このパワーポイントによれば、「人間」はまるで存在しないかのようである。現地の人々の民族形成と各民族間の関係、この戦争が彼らに及ぼすであろう影響と、考えられる彼らの反応(家族を殺され、自分の国を占領されれば、協力するどころか敵対するだろうと普通は推測できるが)、現地に送られる米兵士が抱えるであろう問題、などなど、「人間」に関する分析やデータや予測は、このパワーポイントからまるっきり抜けている。
このパワーポイントを元に戦争をおっ始めたのだから、背筋が寒くなる。